塔之辻碑は、昭和初期に鎌倉町青年団によって建てられた史跡碑・旧跡碑です。
由比ヶ浜大通り沿いの寸松堂の敷地内にひっそりと建っています。
塔之辻と呼ばれるところは鎌倉市内にいくつかありますが、塔之辻碑には悲しい伝承が刻まれています。
塔之辻碑 詳細とアクセス方法
- 読み方:とうのつじひ
- 文化財区分:なし(旧跡碑)
- 住所:〒248-0015 神奈川県鎌倉市笹目町5-44
- 建立:1929年(昭和4年)3月
- TEL:-
- 見学可能時間:24時間
- 見学料:無料
- 定休日:なし
- 駐車場:なし
塔之辻碑へのアクセス方法・行き方
- 江ノ電「和田塚駅」から徒歩約5分(約400メートル)
- 江ノ電「由比ヶ浜駅」から徒歩約4分(約300メートル)
- 鎌倉駅から徒歩約12分(約1km)
- 鎌倉駅から大仏前方面行きの江ノ電バス・京急バスに乗車、「笹目」で下車、徒歩約1分(約80メートル)
地図上で見ると直線距離で最も近いのは和田塚駅ですが、由比ヶ浜駅からの方が近くなっています。ただし裏道を通れば和田塚駅から約200メートル・徒歩3分くらいで到着出来ます。
もっとも非常にわかりにくい道のため、初めて訪れる人にはおすすめ出来ません。
塔之辻碑の写真と碑文と意味
佐々目ケ谷ノ東南ニ方リ路傍二所ニ古キ石塔建テリ
辻ニ塔アル故ニ塔之辻ト言フラン
傳ヘ云昔由井ノ長者太郎太夫時忠ノ愛児三歳ノ時鷲ニ攫ハレ追求スレトモ得ス
父母ノ悲痛措ク處ヲ知ラズ
散見セル片骨塊肉ヲ得ルカマゝニ是レヤ吾児ノ骨彼レヤ吾児ノ肉カト思ヒツゝ
所在ニ塔ヲ建テゝ之ヲ供養シ以テ其ノ菩提ヲ祈レリ
是ノ故ニ鎌倉諸處ニ塔ノ辻ト言フ処アリ
此處モ其ノ一ナリト或ハ言フ
往時ノ道標ナラント
未タ其ノ何レカ眞ナルヲ知ラス
管理人訳
佐々目が谷の東南の方の道端に、古い石の塔が建っています。
辻に塔があるので、塔之辻と言われています。
その昔、由比の長者・染屋太郎太夫時忠の愛する子が3歳の時、鷲にさらわれ、追うものの捕まえられず、両親の悲しみは非常に大きかったそうです。
散らばっている骨や肉片などを見つけると、これは我があの子の骨ではなかろうか、あれはあの子の肉ではなかろうかと、その所々に塔を建てて供養しました。
そのため鎌倉のあちらこちらに塔の辻と言う所があり、ここもその1つだと言われています。
ある人は、昔の道標だろうと言います。どの話が本当か、わかりません。
この染屋時忠の鷲にさらわれた子は女の子だと他の伝承では描かれています。
この塔之辻の1つには「魔の淵のお地蔵様」と言われるお地蔵様が建っているところもあります。
この塔之辻碑は少しわかりくいところにありますが、寸松堂の脇道を入って寸松堂の方をしっかり見ていけば見つかります。
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