6月の梅雨入り前の初夏、西御門にある八雲神社へ参拝に行ってきました。
観光で鎌倉に訪れた方だと御朱印巡りで来迎寺に来る人くらいしか訪れない場所ですが、静かなエリアで落ちるける神社です。
初夏の八雲神社がどんな様子か、また見どころはどこか写真を添えて紹介します。
八雲神社は来迎寺の目の前
西御門の八雲神社は、鎌倉十三佛霊場・鎌倉三十三観音霊場・鎌倉二十四地蔵霊場にもなっている来迎寺のすぐ前にあります。
上記の鳥居の写真の前から右側を見ると来迎寺への階段があります。
この階段が来迎寺への入口となる階段です。
来迎寺は鎌倉のお寺の札所に3つもなっているため、御朱印巡りの方がよく訪れており、その帰りに八雲神社にも参拝することが多くなっています。
八雲神社に来る場合、最後に曲がる道が少しわかりにくいのですが、上記の階段がT字路から見えるので、この階段を目印にしてくださいね。
八雲神社の庚申塔は鎌倉市指定有形民族文化財
八雲神社の鳥居をくぐり、最初に見て欲しいところは、庚申塔です。
庚申塔は庚申信仰という仏教や神道、道教、密教などいろいろな宗教が混ざりあった日本の民間信仰で使った石碑です。
庚申信仰とは、人間の体内には三尸の虫(さんしのむし・彭侯子、彭常子、命児子)が、頭と腹と足にいて、いつもその人の悪行を監視しているというものです。
60日に1度巡ってくる庚申の日の夜に人間の睡眠中をうかがって体外に抜け出して天にのぼり、天帝にその悪事を報告するというものです。そして悪事をしていれば寿命が短くなると言われていました。
これをさせないために、庚申の晩は神々をまつり、酒盛りなどをして夜を徹した訳です。善行を行うようにするとしないところがある意味人間っぽいですね。
その際、村々の中心をなす家に人々が集まり、祭祀を行った後に会食を行いました。これを庚申待・宵庚申と言います。
庚申待・宵庚申が日本に伝わったのは10世紀だと言われています。枕草子にも庚申待の話が出てきます。
江戸時代に入り民間でも盛んに行われるようになりました。庚申待をする講(同じ信仰を持つ人々の集まり・結社)の人々が供養のために建てた庚申塔・庚申塚は現在でも日本各地に残っています。明治時代でも普通に建てられていました。
八雲神社の庚申塔で一番古いものは、延宝8年ということなので1680年、江戸幕府の初期に建てられたものです。
300年以上も前に彫られた庚申塔なので、鎌倉市の有形民俗文化財に登録されています。
庚申塔の下に3つの何が彫られていますが、これは三猿(見ざる、言わざる、聞かざる)です。
なお庚申塔の後ろにある木も非常に大きく歴史ある木だと思われます。
八雲神社の境内社の稲荷神社
庚申塔の前には非常に小さな稲荷神社があります。小さくてもこれが八雲神社の境内社の稲荷神社です。
由緒・歴史は全くわかりません。
小さな赤い鳥居に小さな石祠が置かれ、小さなお稲荷様が左右に配置されています。
八雲神社は拝殿の木彫り像にも注目
八雲神社の拝殿前に建ったら是非見て欲しいのが軒下の木彫り像です。
中央に龍神が彫られています。
その左右には唐獅子が彫られていて、参拝する人をしっかりと見ています。狛犬はありませんが、
八雲神社の社殿の裏の妙見大菩薩碑
参拝が終わったら是非、社殿の裏側を見てください。
石灯籠と石碑、そして手水鉢が置かれています。
石碑には「妙見大菩薩」と刻まれています。
妙見大菩薩の菩薩から神社なのに仏教的なイメージを持つ方も多いと思います。
妙見信仰は神仏習合の神社ではよく見られたもので、妙見信仰として有名な千葉妙見宮(現在の千葉神社)は源頼朝から崇拝を受けたとされています。
だから神社に妙見菩薩の碑があったとしてもおかしな話ではありません。
西御門の八雲神社へ行こう
初夏といっても木々が生き生きとしているくらいで、紫陽花が咲き乱れていたりして初夏らしさは感じません。
でも多少は紫陽花も咲いていて、初夏らしさを感じられます。
小さな神社ですが、時間があれば是非足を伸ばして参拝してくださいね。
鶴岡八幡宮の東の鳥居からなら、徒歩10分くらいです。
以上、初夏の西御門の八雲神社への参拝レポートでした。
- 住所:〒248-0004 神奈川県鎌倉市西御門1-11-1
- TEL:-
- 御朱印:なし
- 参拝可能時間:24時間
- 社務所受付時間:社務所なし
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