鎌倉市内には「八雲神社」が4社ありますが、その内の1つが北鎌倉駅からほど近い場所にあります。
鎌倉最古と言われる庚申塔や安倍晴明が残したとも言われる「晴明石」などあり、ちょっと立ち寄ってみたくなる神社です。
夏にこの八雲神社に訪れたので境内の様子を含め写真を添えてお伝えします。
北鎌倉駅から八雲神社までのルート
Google Mapで北鎌倉から八雲神社までのルートを検索するとかなり遠回りのルートを案内されます。実際にはもっと近いルートがあります。
八雲神社ではなく、その手前の「レース工房 静庵」を目的にするとわかりやすいです。
八雲神社の表参道となる入口の階段は、「レース工房 静庵」の前から見ると上記の写真の通りです。
北鎌倉駅から向かう場合、道が細すぎて、本当にこの道で良いの?と思いますが、大丈夫です。
まずは北鎌倉駅を出て大船方面に歩いていきます。
北鎌倉駅の前から150メートル(2分ほど)歩くと上記のように細い道があるので、この道へと入っていき、道なりに進みます。
しばらくすると線路の真横を通る人しか通れない細い道になります。
人がすれ違うのもスレスレです。
突き当たると人しか通れない「北鎌倉第一踏切」があります。
北鎌倉第一踏切は、北鎌倉のすぐ横を通っています。
この踏切を渡ったら右に曲がり少し歩けば「レース工房 静庵」でその先が八雲神社です。
山ノ内の八雲神社の参道
八雲神社の表参道は上記の写真のように急な階段から始まります。
階段の脇には「村社 八雲神社」と刻まれた社号標が置かれています。
村社と刻まれているということは明治時代から戦前くらいまでの間に建てられた社号標ということになりますが、裏にいつ建立するのか刻まれていて、大正15年となっていました。
階段を上り終えるとほぼ直角に左に曲がってまた階段があります。
右側を見ると石碑がありました。
八雲神社のことが書かれているのはわかるのですが、一部読みにくい文字もあって内容はわかりません。
振り返ってみると北鎌倉駅のホームが小さく見えました。
階段を上ると正面におそらくは神輿殿かと思われる建物があります。
Google Mapだと「山ノ内八雲神社氏子会」と書かれています。
手前には手水鉢が置かれていました。
神輿殿と思われる建物の右側を見ると鳥居がありその手前には狛犬様が鎮座しているのがわかります。
この鳥居の前までが八雲神社の参道です。
山ノ内の八雲神社 境内の様子
では鳥居からの境内の様子を紹介していきます。
八雲神社の鳥居と狛犬様
八雲神社の鳥居と狛犬様
鳥居には「八雲神社」と刻まれた扁額がかかっていました。
鳥居の前には口の大きな狛犬様が鎮座しています。
八雲神社の社殿
鳥居をくぐって右前方を見ると八雲神社の社殿があります。
左右に保護のためかトタン板が取り付けられていました。
軒下の上の部分を見ると非常に珍しい彫刻がされていました。
右側の龍神様は普通ですが…
琴を引いている弁天様でしょうか?京都の平岡八幡宮では琴を引く弁天様が同じようにありますが、鎌倉ではおそらく山ノ内の八雲神社だけです。
左右には唐獅子の木像が取り付けられています。
また鎌倉市内の神社ではおそらくここだけだと思いますが
麒麟の像もありました。
社殿の前の左右には石灯籠と天水盤が置かれていました。
鈴を鳴らしお賽銭を入れ、二拝二拍手一拝をして参拝してきました。
社殿の中を覗かせていただきました。
中央に扁額がかかり「八雲神社」と描かれています。そしてその下の左右に注目
本来の狛犬様が置かれていました。
厳密には神社にある狛犬様は、唐獅子・獅子であることが多いのですが、今では狛犬という名称が一般化しているので、このサイトでも狛犬と書いていますが、本来狛犬様は角があります。
安倍晴明が残したとされる「晴明石」や境内社
社殿の前から振り返るとくぐってきた鳥居の右側に階段があり、小さな鳥居が見えます。
この階段を上ると八雲神社の境内社や安倍晴明が残したとされる「晴明石」があります。
階段を上ると右側に寄せた鳥居があります。鳥居を見たらくぐりたいと思ってしまうので、当然ここも鳥居をくぐって入りました。
身長170cmほどですが、頭がぶつかりそうなほど低い鳥居です。
安倍晴明が残したとされる「晴明石」
鳥居をくぐってすぐ右側に「安倍晴明 神君」と書かれた札があり、結界が張られたように縄で囲まれています。
中央には大きな岩があります。
左側には「安倍晴明」と刻まれた石塔がありました。
この岩は安倍晴明が残したとされる「晴明石」と言われているものです。
八雲神社の境内には、「晴明石」という石がまつられています。「晴明石」は、もとは十王堂橋の近くの道路の真ん中に埋まっていました。この石を知らずに踏めば足が丈夫になり、知っていて踏めば足が悪くなったり病気になったりするといわれていました。また足が悪くなった人は、石を清水で洗い塩やお線香をあげて拝むと、 治るともいわれていました。 この石を村の人達が大事にしているので山ノ内には、大火事がないのだと、人々は信じていました。そこで毎年4月14日、お供え物をあげてお祭をしたそうです。
道路工事のため掘り起こされ、神主にお祈り をしてもらい、八雲神社の境内に移されました。 この石は、平安時代に安倍晴明という陰陽師 が残したものだという伝説があります。 火難よけ、災難よけの神の石として信仰を集め、この石を汚したりいたずらしたりすると、そのたたりによって、その人が大難を受けるといって、礼を厚くし てまつったといいます。かまくら子ども風土記 204ページより
鎌倉市内には他にも安倍晴明にまつわる伝承がいくつか残っています。
八雲神社の稲荷社
晴明石から先に進むと八雲神社の境内末社である稲荷社があります。
小さいながらも綺麗に掃除されているのがわかります。
元から稲荷社はあったものの老朽化してたところ、町内の方が引っ越す時に庭にあった稲荷社のお社を寄附してくれたものにしたそうです。
山ノ内の八雲神社の石碑
稲荷社の横に「国常立尊御獄大神」と刻まれていると思う大きな石碑があります。
左右には「大己貴大神」「少彦名大神」と刻まれています。
これだけを見ると蔵王権現を祀っていた碑に思えます。
他にも石碑・石碑らしいものがいくつか置かれていました。
山ノ内の八雲神社の庚申塔
八雲神社は北鎌倉からではなく、反対側からの道からも来れます。反対側の道を少し降りていくと…
階段があり中に入れるようになっています。そして中に入ると…
庚申塔が数多く置かれています。
この中の1つが、寛文5年(1665年)に建てられ、高さが136cmあり、鎌倉市内の庚申塔において、最古であり最大の庚申塔だとされています。
そしてその庚申塔は鎌倉市の有形民俗資料に指定されています。
上の写真の左から2番目の庚申塔がそうらしいです。
この奥に進むと参道にあった神輿殿の横に出ます。
夏の山ノ内 八雲神社へ行こう
八雲神社の社殿の裏側から一般道に出て少し進むと上記写真の景色が広がります。北鎌倉の町並みです。
高台にあるので町並みが見えます。
夏場はあまり日陰が無い八雲神社なので、結構汗をかいて大変ですが、晴れた日なら清々しい気分で参拝出来ます。
以上、夏の鎌倉市山ノ内にある八雲神社への参拝レポートでした。
- 住所:〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内585
- TEL:0467-22-3251(御霊神社)
- 御朱印:なし
- 参拝可能時間:24時間(夜は危険)
- 社務所受付時間:社務所なし
鎌倉の代表的な神社