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夏の熊野神社(大船)へ参拝に行ってきた。ウサギと見どころも紹介

熊野神社(大船) 神社訪問・参拝レポート

大船の鎮守とされる熊野神社へ、盛夏の7月中旬に行ってきました。

お寺に併設されたようにある神社ですが、見晴らしもよく神楽殿まである神社で、御朱印こそは無いものの是非訪れて欲しい神社です。

熊野神社の境内の様子や見どころと、ウサギについて紹介します。

大船の熊野神社の鳥居を狛犬

多聞院(熊野神社)入口

大船の熊野神社は、多聞院というお寺に隣接して建っています。

そのため入口は、多聞院と同じです。多聞院は、元々は熊野神社の別当寺でした。

別当寺とは、専ら神仏習合が行われていた江戸時代以前に、神社を管理するために置かれた寺のことです。

上記写真でまっすぐ進めば多聞院、左に少し見える鳥居が熊野神社の一の鳥居です。

大船の熊野神社の鳥居

大船の熊野神社 一の鳥居

鳥居の横に「真言宗 多聞院」という寺号標が見えます。

大船の熊野神社の鳥居

鳥居の奥に鳥居が見えるかと思いますが、二の鳥居です。

大船の熊野神社

一の鳥居には「熊野神社」と刻まれた社号標が取り付けられていました。

大船の熊野神社の二の鳥居

一の鳥居を抜けて二の鳥居へ、その奥に階段が続いています。

大船の熊野神社の階段

階段は割と急で、ところどころ傷んでいて、斜めになっているところもあるので、注意して上ってください。

階段の始まりには「大正10年」と刻まれた石がありました。

階段を上って社殿へと向かいます。

大船の熊野神社の狛犬様

大船の熊野神社の狛犬様

大船の熊野神社の狛犬様

階段を上り終えたところに狛犬様があります。

 

右側の狛犬様に抱かれている子狛犬が、一般的な狛犬様の子狛犬よりも大きく、少しアンバランスな感じもしますが、ここまで大きいのは他ではあまり見られません。

この狛犬様が最初の見どころと言えます。

大船の熊野神社の神楽殿

狛犬様の左後ろには神楽殿があります。

大船の熊野神社の境内の様子

正面には熊野神社の社殿、その右隣には境内社の「琴平宮」があります。

大船の熊野神社の社殿

熊野神社(大船)

まずは熊野神社の社殿に参拝ですが、階段を上って社殿の前に行く前見て欲しいのが屋根です。

唐獅子牡丹

大船の熊野神社の唐獅子の鐙瓦

大船の熊野神社の唐獅子の鐙瓦

屋根の左右に足が欠けてしまっていますが、唐獅子の鐙瓦が乗っています。

大船の熊野神社の屋根の牡丹瓦

大船の熊野神社の屋根の牡丹瓦

唐獅子の鐙瓦の横には牡丹の形をした鐙瓦

そう、唐獅子牡丹です。これが2つ目の見どころです。

唐獅子牡丹って何?と思うかもしれませんが、Wikipediaには下記のように書かれています。

獅子の身に生じて肉を食い破り死に至らしめる「獅子身中の虫」が牡丹の花から滴る朝露で死ぬため、獅子は夜になると牡丹の花の下で休息するという伝説から、絵画などでは獅子と牡丹の組み合わせが特に好まれた。

唐獅子 Wikipedia より

他の神社でも唐獅子と牡丹の組み合わせはよくあるので、探してくださいね。

龍神と唐獅子と八咫烏?

続いて社殿の軒下を見てください。

大船の熊野神社

龍神が刻まれています。龍神が刻まれているのはよくあることですが、龍神様の鱗に色がついているのは珍しいです。

大船の熊野神社の唐獅子の木彫り

大船の熊野神社の唐獅子の木彫り

龍神様の左右を見るとここにも唐獅子、木彫りとして添えられています。

大船の熊野神社の八咫烏

大船の熊野神社の八咫烏

唐獅子の下には恐らくですが「八咫烏」が彫られています。

熊野神社のウサギ

唐獅子の木彫りの後ろ側、側面を見てください。

大船の熊野神社の木彫りのウサギ

大船の熊野神社の木彫りのウサギ

ウサギが彫られています。

日本三大熊野神社と言われる山形の熊野神社も本殿にウサギが彫られています。

熊野神社系列だとウサギは神の使いとして、また子孫繁栄の象徴としてウサギを彫ることがあるそうです。

鎌倉市内だと十二所にある「十二所神社」(元々は熊野十二権現社)にもウサギが彫られています。

十二所神社のウサギはテレビでも取り上げられて、知っている人も多いのですが、大船の熊野神社にもウサギが彫られていることはあまり知られていません。

このウサギも見どころの1つです。

大船の熊野神社の扁額

社殿にかかる扁額には「熊野社」と記されていました。

社殿の中に本殿

大船の熊野神社の本殿

社殿の中が覗き込めるようになっているので、覗いてみました。

中には熊野神社の本殿があります。

扁額には「熊野大神鎮座」と記されていました。

大船の熊野神社の神楽殿

熊野神社(大船)

熊野神社に参拝に来たら是非見て欲しいのが神楽殿です。

大船の熊野神社の神楽殿

定期的に掃除されていることがわかるほど、大切にされています。

大船の熊野神社の神楽殿

能舞台にも使われることがあるそうです。

大船の熊野神社の神楽殿

神楽殿の奥に小さなお社が見えます。

大船の熊野神社の境内社と石碑

大船の熊野神社の境内社

社殿の左側、神楽殿の奥に岩壁が削られ小さなお社のようなものが入っています。

稲荷社

大船の熊野神社の境内社(稲荷社)

見た目、境内社かと思うのですが、社名が何も書かれておらず何を祀っているかわかりません。

大船の熊野神社の境内社(稲荷社)

以前は陶器製のお狐様が置かれていたそうで、稲荷社だと思われます。

地神塔

大船の熊野神社の地神塔

稲荷社の横に「地神塔」と刻まれた石碑が置かれています。

横浜から藤沢にかけて「地神信仰」というものがありました。地神講、地鎮講、社日講と呼ばれていました。

春分、秋分に最も近い「戌(いぬ)の日」を社日(しゃにち)といい、泉区の各地では、前夜に講の人々が当番の家に集まり、神禮寺(藤沢市酉俣野町)の「堅牢地神(けんろうじじん)」の掛軸をかけて、地神(じじん)の日待(ひまち)を行い、翌日の社日は農耕作業を休んだ。社日は、田の神と山の神が交代する日と考えられたため、その年の稲の豊作を願い、農業に関係の深い土地神様(とちかみさま)を祀るこのような行事が行われるようになった。

横浜市 泉区 地神塔と地神信仰 より

エリア的に大船でも行われていたようで、その石碑が残っているものと思われます。

琴平宮(金比羅宮)

大船の熊野神社の境内社 琴平宮

熊野神社の社殿の横にもう1つ、社殿があります。

これは境内社の琴平宮(金毘羅社)です。

熊野神社(大船)

元々は神明社と言われたいたそうです。

崇徳天皇が祀られているそうです。崇徳天皇のご利益でよく言われるのが「悪縁切り」です。断ち切りたい縁があれば是非、参拝してください。

ただカップルで参拝すると別れるとよく言われるので、注意してくださいね。

大船の熊野神社の境内社の琴平宮

扁額には「琴平宮」と書かれていますが、熊野神社を紹介する書籍には「金刀比羅社」「金比羅宮」と書かれていることが多くなっています。

詳細がわからない小祠

大船の熊野神社の境内社

琴平宮の右側にもう1つ、小祠があります。ただこの小祠、何を祀っていたのか全くわかりませんでした。

大船の熊野神社へ行こう!

かまくら子ども風土記には下記のように説明されています。

熊野神社 多聞院の左脇の石鳥居をくぐって石段を上ると、大船の鎮守の熊野神社があります。甘粕氏の先祖が室町時代の中ごろ、守護神として建てたといわれています。本殿には、「熊野社」の額が掲げられ、日本武尊がまつられ、熊野権現像が安置されていました。

古くは、 画像も安置してあったといわれますが、甘粕家に預けられているといわれています。脇の拝殿は神楽殿になっています。

木像の台座には、「天正七年」(1579年)に、 甘粕長俊が熊野大権現を移してまつったと書いてありました。

甘粕氏は、室町時代に上杉氏に仕え、後に小田原北条氏に仕えました。その由緒を物語るものとして 「玉縄首塚」の碑があります。首塚の碑には、里見軍が攻め込み、 玉縄城の北条軍と戸部川をはさんで戦ったとき、土豪甘粕氏らが奮戦し、甘粕氏以下35人が討ち死にしたとあります。

長俊は、今も続いている甘粕家の先祖で、 1567年(永禄10年) に常楽寺の文殊菩薩の修理も行っています。

なお、この神社の末社として金比羅社ともいわれる神明社があり、崇徳上皇をまつっていす。 古くは、近くの神明下というところにありましたが、 1625年(寛永2年) ごろに甘粕時綱がこの地に移したといわれています。

かまくら子ども風土記 216ページより

鎌倉時代よりも後の室町時代・戦国時代にいろいろなドラマがこの辺りでもあったことが推測出来ます。

大船の熊野神社

境内からは熊野神社の横にある多聞院の本堂の屋根がよく見え、遠くに大船の中心地が見えています。

大船の熊野神社から見た大船観音

望遠レンズがあると遠くに大船観音が見えるのがわかるはずです。

夏場は遮るものが少ない熊野神社は非常に暑いですが、熊野神社のすぐ裏には「高野の切通」と呼ばれる切通もあり散策も楽しめるようになっています。

是非、大船の熊野神社へ参拝に訪れてくださいね。

以上、夏の熊野神社(大船)への参拝レポートでした。

  • 住所:〒247-0056 神奈川県鎌倉市大船2033
  • TEL:0467-47-4798(五社稲荷神社)
  • 御朱印:なし
  • 参拝可能時間:陽のあるうち
  • 社務所受付時間:社務所なし
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