7月の中旬、まさに夏という時期に鎌倉今泉にある白山神社へ参拝に行ってきました。
源頼朝が創建したと伝わる夏の白山神社の境内の様子や見どころ、境内社である子守神社について写真を添えてお伝えします。
またGoogle Map上ではわかりにくい入口も紹介します。
白山神社の入口とバス停からの行き方
Google Mapで白山神社を確認すると、周りに道がなくどこから入るのだろう?と思う方もいると思います。
入口は下記の図の通りです。
地図の右側の赤い線が参道です。地図上だと白山神社の近くまで道があるので、そっちが入口かと思ってしまいますが、近くまである道はそこで行止りとなっています。
白山神社は駐車場が無いため、公共交通機関で向かうのがおすすめです。最寄りのバス停も「白山神社前」となっており、近くまでバスで来れます。
バス停を降りたらバスの進行方向にそのまま歩いていきます。2分も歩けば、白山神社の入口にたどり着きます。
白山神社の参道の様子
白山神社の入口の左側には「広丸の歌碑」という大きな石が置かれています。
これは、鎌倉市今泉出身と言われる江戸時代中期(1758~1828)に実在した天広丸(あめのひろまる)という狂言師の歌碑です。
歌碑の後ろにはこの歌碑の説明板もあります。この狂歌碑が白山神社の1つ目の見どころです。
入口の右側には白山神社の別当寺だった今泉寺の寺号標が置かれています。寺号標の右下に折れた木がありますが、これが元々の白山神社の社号標でした。
数段の階段を上るとまっすぐにコンクリートの参道が続き階段と鳥居があるのがわかります。
鳥居は大きい訳でも小さい訳でもない手頃の大きさと言えるのかな?という微妙な大きさです。
鎌倉市指定有形文化財 庚申塔
鳥居を越えて、数段の階段を上った先には庚申塔・庚申塚があります。
庚申塔は、庚申講と呼ばれる民間に広まった宗教です。大正時代まで割と盛んに信仰されていました。
このいくつかある庚申塔の1つが寛文12年(1672年頃)に建てられたもので「鎌倉市指定有形文化財」になっています。
これが白山神社2つ目の見どころです。
庚申塔の反対側にも石碑が置かれていました。
今泉寺
参道の階段を更に進んでいくと今泉寺があります。
今泉寺は、白泉寺の別当寺(神社を管理するためのお寺)だったととされています。
ほとんど無人のようです。
今泉寺の墓地の方へいくとやぐらの中に水が溜まっている(もしくは元々泉だったのか)ところがあります。更に奥に行くとやぐらもありました。
この今泉寺とやぐらが白山神社3つ目のみどころです。
更に階段を上るといよいよ白山神社です。
白山神社の手水舎
最後の階段を上ると白山神社の社殿が見えます。
社殿にむかって右側を見ると手水舎があります。
大きな手水舎ではありませんが、湧き水が常に注がれていました。
ただ注がれている水は飲めないという注意書きがあったので、飲まないようにして下さい。
古神札収納所と神輿庫
手水舎と反対側を見ると2つの建物があります。
恐らく大きな方は神輿庫だと思うのですが、ただの倉庫の可能性もあります。
また古神札収納所もありました。どんと焼き(左義長)を実施しているのかどうかは不明ですが、集めている以上、ここかもしくは御朱印がいただける五社稲荷神社で焼納しているものと思われます。
白山神社の社殿
いよいよ白山神社の社殿へ
注目は軒下です。
ギロっとこちらを見ている龍神様が彫り込まれています。
左右には、同じくギロっとこちらを見る唐獅子の木彫像があります。
またこれらの木彫りの周りにある注連縄は毎年1月8日に行われる「大注連祭」で飾られたものです。
続いて屋根を見てください。立派な唐獅子の鐙瓦が飾られています。
丁寧な仕事で飾られた社殿が白山神社4つ目の見どころです。
むせるほどの香りのヤマユリ
社殿の裏側に回るとなぜか仏様の頭だけが置かれていました。
昼間でも1人でここに来て突然、頭だけあるとびっくりしますよ。
それはさておき社殿の裏側には山が連なっているのですが、そこにはヤマユリが咲き乱れていました。
鎌倉のヤマユリの季節は6月下旬くらいから8月上旬くらいまで。7月が一番の見頃になっているところが多くなっています。
そしてこのヤマユリの香りが凄いんです。
いい香りなんですけど、もうむせ返るほど香ってきます。
山の奥に五輪塔が見えましたが、夏場にそこまで行くのは少し怖い(虫刺され等)ので、遠くから写真だけを取りました。
社殿の左横には上記の建物がありました。社務所だとは思うのですが、普段は無人です。
白山神社の境内末社・子守神社と小祠
手水舎の後ろに小さなお社があり、その奥に小さな石で作られた小祠が2つ並んでいます。
小祠の方は何を祀っていたのか不明ですが、子守神社は説明板がつけられていました。
きちんと狛犬様もあります。
子守神社の説明板には下記のように書かれています。
祭神
天之水分神(あめのみくまりのかみ)・国之水分神(くにのみくまりのかみ)
(子授・安産・子育ての神)
元は水の配分をつかさどる神であるが、このみくまりをみこもりとう訛って早くから子守神として信仰があった。
豊臣秀吉はその子、秀頼のために祈り、本居宣長はその父母の祈請により誕生したとして参詣を重ねたことが和歌や「菅笠日記」によって知られる。当地では、初宮詣・七五三詣に先立ってこのお社にお参りするのが古くからの慣わしです。
天之水分神・国之水分神は、イザナギ・イザナミの間に生まれた女神であり水神(水分神)です。
一般的に女神で水神であれば子育て・安産・子授かりの神となることが多くなっています。
また子守神社の狛犬様がひょうきんな顔立ちなので是非見てください。
またお社に取り付けられている唐獅子は下向きですが、丁寧に作られているので、こちらも合わせてみてください。
子守神社が、白山神社5つ目の見どころです。
白山神社へ行こう
夏の白山神社の様子をお伝えしてきました。6月は紫陽花、7月はヤマユリが綺麗に咲いているので、夏でも花を見に行くにおすすめです。
800年以上の歴史がある神社だけに神聖な雰囲気も漂う神社です。
また源頼朝が遷した鶴岡八幡宮の北(正確には北北東)に位置する白山神社は、鶴岡八幡宮の守護的な役割があったのかな?と思えてきます。
ひょっとしたら荏柄天神社と合わせて白山神社は鬼門(北東方向)の守護社としていたのかな?と思えてきたり。
いろいろと想像が膨らむ神社なので、是非訪れてくださいね。
以上、夏の白山神社への参拝レポートでした。
- 住所:〒247-0052 神奈川県鎌倉市今泉3-13-20
- TEL:0467-47-4798(五社稲荷神社)
- 御朱印:あり(五社稲荷神社にて)
- 参拝可能時間:24時間(夜は非常に危険)
- 社務所受付時間:社務所なし
鎌倉の代表的な神社