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神社の末社と摂社、境外末社の違いについて

神社の末社と摂社、境外末社の違いについて 神社の参拝と知識とマナー

神社に行くと本殿・拝殿とは別に小さなお社があったり、大きな神社であれば、その神社とは別の神社が境内にあることがありますよね。

それらの神社のことを摂社・末社と言います。

摂社と末社の違いや意味を紹介します。

境内外末社・境外末社についても合わせて説明します。

摂社と末社の違い

神社によっても異なりますが、基本的には下記のように区別されています。

  • 摂社:本殿(本社)に祀られている御祭神と関係の深い御祭神が祀られている
  • 末社:本殿(本社)に祀られている御祭神とは特には関係ない御祭神が祀られている

また基本的には

本殿(本社)>摂社>末社 という重要度になっています。

摂社

若宮(鶴岡八幡宮 下宮)

本殿(本社)御祭神の荒御魂や后神、御子神を祀っているお社や、御祭神と関係の深い神や現地社の地主神など特別な由緒があるお社が摂社です。

鎌倉の神社で言えば鶴岡八幡宮の中には丸山稲荷社や若宮、白旗神社、旗上弁財天社などがありますが、摂社は若宮のみです。

鶴岡八幡宮の本宮で祀られているのが応神天皇で、若宮で祀られているのが応神天皇の御子神となる仁徳天皇、仁徳天皇の御子神となる履中天皇という関係だからです。

鎌倉宮には村上社・南方社がありますが、ともに摂社という扱いです。

村上社は、鎌倉宮の御祭神である護良親王の忠臣であった村上彦四郎義光が祀られており、本社の御祭神と深い関係があるということで末社となっています。

南方社は、護良親王の鎌倉幽閉に随行し、身の回りの世話をした持明院 南御方が祀られており、こちらも関係が深いということで摂社となっています。

鎌倉では見かけませんが、荒御魂を祀っているお社も摂社になるのが基本です。

荒魂社

神様には和魂(にぎたま・にきたま・にぎみたま)と荒御魂(荒魂・あらたま・あらみたま)という2つの魂があると考えられていて、神社によっては本社には和魂を祭り、摂社に荒御魂を祀っています。

同じ神様なので、摂社となっています。

なお関係が深い神様を祀っていても末社になっていることもあるので、例外はあります。

末社

本社(本殿)に祀っている神様とは直接は関係ない神様を祀っているお社のことを末社と言います。

鎌倉の神社で言えば鶴岡八幡宮の竹内社・丸山稲荷社・祖霊社などが末社となります。

なお元々の鶴岡八幡宮があった由比若宮は同じ神様を祀っていますが、末社という扱いです。同じ神様でも違う土地にあると末社となります。

ただし例外があり、本社の神様と深い関係にあっても末社としている場合もあり、神社によるところが大きくなっています。

昔はルールがあった末社と摂社

神社本庁のホームページには下記のように書かれています。

戦前の旧官国幣社においては、摂社と末社を区分する基準が設けられました。摂社に該当する条件として、まず本社御祭神の荒魂や后神・御子神を祀った社のほか、御祭神と関係のある神や現社地の地主神など特別な由緒がある社となっていました。こうした基準に当てはまらないのが末社であり、摂社は末社より上位に置かれていました。

現在でも摂社・末社の呼称は、戦前の基準による区分をそのまま用いていることがありますが、特に本社との由緒の深い神社には摂社の呼称が用いられています。摂社・末社については、本社と同一の境内地で祀られている境内社と、境内地外で祀られている境外社といった区分もできます。

このほか、伊勢の神宮や京都の石清水八幡宮などでは、特に本社御祭神と関係の深い社を別宮と称しています。

神社本庁 境内の小さな神社について より

今でも神社本庁に加入している神社であれば、基本的にはこのルールに則っています。

しかし神社本庁に加入していない神社、新興宗教の神社、単立の神社、戦後に出来た神社などでは、これらのルールに必ずしも則っていないため、例外が出てきています。

境内外末社・境外末社

神社の境内には無いけど、本社の末社として登録されている神社を境内外末社・境外末社と言います。

本来は境外末社というのですが、神社によっては、境内の外ということで境内外末社という言葉を使っている場合もあります。

鶴岡八幡宮の由比若宮は鶴岡八幡宮の境外末社です。

今宮に関しては、鶴岡八幡宮としては境外末社にしています。ただ昔の鶴岡八幡宮(当時は鶴岡八幡宮寺)の敷地で考えると境内末社になるんですよね…

境外末社から独立する神社もある

佐助稲荷神社

境外末社だった神社が独立して末社ではなく、単独の神社となることもあります。

有名なところでは、佐助稲荷神社があります。

佐助稲荷神社は、元々は鶴岡八幡宮の境外末社(飛地境外末社)でしたが、明治42年(1909年)に独立しています。

銭洗弁財天宇賀福神社も元々は八坂大神の境外末社でしたが、昭和45年(1970年)に独立しています。

元々末社だった銭洗弁財天の方が八坂大神よりも有名になってしまうというのも皮肉なものですね。

末社・摂社・本社ではなく好きな神社を

末社や摂社よりもやはり本社にお参りした方が良いんでしょ?と思う方もいますが、そうではありません。

格やその神社の優先度として末社・摂社はありますが、参拝する立場からすれば、関係ないことです。

例えば管理人で言えば、鶴岡八幡宮は本宮よりも若宮や祖霊社の方が好きです。

鶴岡八幡宮の本宮って、いつも警備員がいてピリピリした雰囲気があって、落ち着かないんですよね。反面、若宮や祖霊社は警備員がいないこともあり、参拝する人も少ないから落ち着いて参拝出来るから好きです。

末社・摂社・本社関係なく、自分が気に入った神社を参拝してくださいね。

以上、神社の末社と摂社、境外末社の違いについてでした。

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