毎年5月5日に鎌倉宮で行われる草鹿神事を見てきました。
ゴールデンウィーク中ということもあり、多くの人が見に来る弓を射る神事です。
空気を切り裂く弓の音や弓を射る時の佇まいに魅了されます。
草鹿神事に行こうかな?という方に、詳しく紹介します。
草鹿神事について
- 読み方:くさじししんじ
- 開催場所:鎌倉宮 境内
- 日時:5月5日 13時より(過去はずっとこの日時)
- 見学料(拝観料):無料
- 見学申込み:不要・直接鎌倉宮へ
普段の鎌倉宮は境内に駐車可能ですが、この日は境内の半分を使って神事を行うため、駐車は出来なくなります。
そのため、近隣の有料駐車場を利用することになります。
出来るだけ公共交通機関で訪れるようにしてください。毎年GWには鎌倉宮へ向かう道で、鎌倉の道に不慣れな人が運転する車で、バスが通れなくなり渋滞が発生しています。
鎌倉駅から、鎌倉宮まではバスが一部時間帯を除き概ね20分に1本出ています(GW中は、渋滞で大幅に遅れたり、便が突然消えることもあるので、余裕を持って訪れてください)。
草鹿神事の起源・歴史
草鹿とは、鹿の形に作った弓の的のことですが、その射芸全体をさす言葉として現在は使われています。
1192年(建久3年)、鎌倉時代の歴史書「吾妻鑑」に草鹿の勝負があったことが書かれています。
一般的に鎌倉宮の草鹿神事においては、起源として1193年(建久4年)に源頼朝が富士の巻狩(鹿や猪などが生息する狩場を多人数で四方から取り囲み、囲いを縮めながら獲物を追いつめて射止める大規模な狩猟である)を模様すことになった時に、鹿の形の的を作って、稽古したこととされています。
5人1組の10人で的である草鹿に向けて弓を放ち、点数を競います。
最初に交互に4人が弓を内、最後に大将が弓を射ります(2022年は規模縮小のため4人1組で行われました)。
ただし当たった数だけを競うものではなく、弓を射る姿勢や当たった場所等で、審判が判定をします。判定に不服のある場合は、審判と射った人で古式に則って判定を行います。
この判定の過程も草鹿神事の見どころです。
2023年・鎌倉宮の草鹿神事の様子
2023年は午前中の公開練習から見ました。
試射と公開練習
朝9時くらいから会場の設営が行われ、その後に試射が行われ10時30分から公開練習が行われました。
公開練習は本番とほぼ同じ流れで一通り行われるので1時間以上かかりました(本番は2時間弱)。
試射と公開練習の様子を動画でも撮っているので、是非見て下さい。
公開練習の動画も少し長いですが、ご覧下さい。
草鹿神事 本番
ほら貝を吹いて、神事が始まることを伝えます。
社務所の前でお祓いをして、拝殿の方へ向かいます。
30人くらいの列なので、それなりに長い列です。
拝殿で行われる神事は見ないで草鹿神事の会場で待つ人の方が多いです。
2022年は拝殿に上がって神事を行っていましたが、2023年は幣殿(だと思う)で神事が行われました。
神事が終わり草鹿神事の会場へ向かっていき、実際の草鹿が始まります。
ルールが特殊なので、ただ見ているだけだと意味がわからない事が多いのですが、きちんと解説をしてくれるので、ルールがわからなくても理解出来ます。
2022年は新型感染症の影響で2人1組で交互に弓を射っていましたが、2023年は4人1組で、2回ずつ射るようになっていました。
弓を射る瞬間はGIFにするとよくわかります。
射る瞬間は本当に手を離すだけです。
言葉での説明よりも動画で実際に見てもらった方が草鹿神事の様子がわかると思いますので、是非動画でご覧ください。
一通り、草鹿神事が終わり、皆さんで集合写真を撮られていました。
来年もまた見に行きたいものです。
2022年・鎌倉宮の草鹿神事の様子
神事が始まる時に巫女さんや神職の方が法螺貝を吹いて知らせます。
社務所の前の祓い所でまずはお祓い
その後、神事に出席する人が拝殿へと向かいます。
烏帽子をかぶった服装が如何にも鎌倉時代の行事のように見えますね。
拝殿は、宮司による祝詞奏上など、一般的な神社の神事が行われます。
鎌倉宮は神事の様子を間近で見られるのが魅力の1つです。
拝殿での神事を終えて、実際の草鹿を行う境内へと移動してきます。
なお、拝殿で行われる神事を見ていると実際の草鹿が行われる場所で良い場所は埋まってしまっているので、草鹿そのものを楽しみにしている方は拝殿の神事は見ずに境内の草鹿の会場で待機していた方が良いかもしれません。
拝殿に向かって右側で行われることもあれば、左側で行われることもあり、年によって行われる場所は異なります。
草鹿が開始される前にお祓いも行われます。
弓を射る人がひざまずいて待機している様子は、まるで大河ドラマを見ているような感じを受けました。
そして草鹿の開始です。
弓を射る時の姿が本当に格好よくて、目を奪われます。
実際に弓を射る時の動画もあるので見てください。
弓は2組の勝負なので、1人ずつ交代で射っていました(新型感染症対策)。
待っている時の姿勢もさすが弓道をされている方という感じを受けます。
なお実際に弓を射る方は「弓馬術礼法 小笠原道場 鎌倉菱友会」の方です。
判定が不服の時の掛け合い、これが結構面白いです。
何本、的に当たったかは、盛った土に札を挿して記録していきます。
なお実際の的は上記の写真のものです。かわいいというかシュールというか…
なお1990年代まで鎌倉宮では鹿を飼っていました。
一通りの勝負が終わり、判定が決まると勝った組に菖蒲が宮司さんより授与されます。
これで一連の草鹿神事は終了です。
最後に宮司さんと「小笠原道場 鎌倉菱友会」の方で記念写真を撮っていました。
鎌倉宮の草鹿神事を見に行こう
鎌倉で弓を使った神事と言えば鶴岡八幡宮の流鏑馬が人気であり有名ですが、そこまで混雑しないのが鎌倉宮の草鹿神事です。
最初は混雑していますが、徐々に帰っていく人もいるので、後半になると比較的近くで見られるようにもなります。
新緑美しい時期に行われる草鹿神事、是非5月5日に鎌倉に来るようなことがあれば是非見てくださいね。
以上、鎌倉宮の草鹿神事についてでした。
- 住所:〒248-0002 神奈川県鎌倉市二階堂154
- TEL:0467-22-0318
- 御朱印:あり
- 参拝可能時間:24時間
- 社務所受付時間:9:00~16:00
- 拝観時間:9:30~16:30(12月から1月は16時まで・いずれも受付は30分前まで)
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