鎌倉市材木座にある五所神社へ、6月の後半、まだ初夏と言える頃に行ってきました。
五所神社と言えば、材木座まつりが有名ですが、境内の中には多くの石碑・石像があり不思議な雰囲気が漂う神社です。
実際に訪れた初夏の五所神社の様子を写真を添えてお伝えします。
五所神社へのアクセス方法・行き方
五所神社は駐車場が無いため、公共交通機関で向かうのがおすすめですが、鎌倉駅からだと約1.4kmほど歩かないといけないため、少し面倒です。
なのでバスで向かうのがおすすめです。
鎌倉駅から京急バス「鎌12・九品寺循環」に乗車して、「五所神社」下車してから2分ほど歩くと五所神社の入口に到着します。
鎌40や鎌41でも行けると思うかもしれませんが、鎌40は逗子駅発のバスしか五所神社には停まりません。鎌41は小坪という逗子の周りに駅が無いところからの出発となります。
鎌倉駅から向かうのであれば鎌12「九品寺循環」しか実質バスはありません。
バスを降りたらバスの進行方向とは逆の方向を見てください。
日進堂材木座店と書かれたパン屋さんの看板が見えます。このパン屋さんの横の道をまっすぐ進みます。
突き当たって左側を見ると鳥居が見えます。この鳥居が五所神社の鳥居であり、五所神社の入口となります。
五所神社の参道と紫陽花
五所神社の参道入口と鳥居です。この参道は生活道路にもなっており、車も時折通ります。
鳥居をくぐり中に入ると石灯籠の周りを中心に紫陽花が咲いていました。
紫陽花の名所になっているところに比べれば紫陽花の数は少ないものの、初夏の鎌倉らしい景色と言えます。
少し進むと狛犬が見えてきます。あれ?片側にしかいないのかな?と夏場なら思うかもしれませんが、左右にあります。
左側の狛犬は木の葉に隠れて正面からだと非常にわかりにくくなっていました。
参道にあった古い手水鉢に紫陽花が入れられ、花手水となっていました。
少し先に進むと2組目の狛犬がありました。
右側の狛犬様、子狛犬が玉を持って遊んでいるのが特徴的です。
参道は80メートルほどあります。
五所神社の社務所
参道から階段を上ります。
青色の紫陽花が清涼感を与えてくれて、鎌倉らしい雰囲気があります。
1つ目の階段を上った左側に五所神社の社務所があります。御朱印はこちらでいただけます。
御朱印の金額は「志 300円以上」と書かれています。
参拝前だったので、参拝した後に再び訪れて御朱印はいただきました。
神奈川県神社庁のホームページによると五所神社の管理元神社は、八雲神社になっていたので、てっきり八雲神社で御朱印はいただくものと思っていましたが、ここでいただけるのは良かったです。
八雲神社は材木座の隣にある大町にある神社ですが、把握しているだけでも4社(自社もふくめて5社)の御朱印をいただける神社です。
社務所前の手水鉢にも紫陽花が入れられ、花手水となっていました。
五所神社の境内の様子
鳥居から先が境内ですが、社務所前の最後の階段を上った先をここでは、境内としています。
石上稲荷(三光尊石上稲荷大明神)
階段を上がって眺めると右側にある鳥居が気になります。「石上稲荷」という境内社です。
元々は材木座に流れる豆腐川の河口にあった大きな石を祀っていたもので、昭和12年(1937年)に五所神社に移したとされています。
中央にある石で出来た祠の中にある石がご神体です。
周りにはお狐様がたくさんいます。
石祠の前にある石碑には「正一位 三光尊石上稲荷大明神」と刻まれています。
石上稲荷の右横にも石で出来た小祠があり、お狐様もいます。
小祠の前には恵比寿様と大黒様も置かれていました。
石上稲荷の左側にある祠というか御堂みたいなものは「重要美術品 弘長二年銘 不動種子板碑」という板碑が入っています。
弘長2年は1262年ですから鎌倉時代に作られた板碑です。文化財保護法施行以前にあった「国の重要美術品」に選定されていたそうです。
800年近く前に作られたと思うと非常に有り難みが出てきますね。
神輿庫(天王堂)
境内の中央にあるのが神輿庫(天王堂)です。
この中に3つの神輿が鎮座しています。
右側にある「旧諏訪神社」の御神輿は、鎌倉市指定有形文化財」に登録されています。
なお神輿だけでなく、神輿殿にも注目してください。
建物の上部に木彫りの唐獅子・象・龍神があります。
五所神社 本殿
左側に五所神社の本殿があります。
扁額には神社名ではなく「国家興隆」と書かれています。書いたのは鎌倉宮の宮司さんだったようです。
よく勘違いされているのですが、鎌倉市内で旧社格制度において最も社格が高かったのは鶴岡八幡宮ではなく、鎌倉宮でした。
扁額の上にいる唐獅子にも注目してくださいね。
本殿の上部中央には、鳳凰・鳥・龍神が刻まれています。
龍神の脇には木彫りの唐獅子像
唐獅子像の下には龍神様だと思うのですが、羽があってむしろ西洋のドラゴンを想像させる木彫りがあります。
本殿の屋根にも注目してください。唐獅子の鐙瓦があります。
境内にある石碑・石像・石仏
神輿庫や石上稲荷、本殿とは反対側には石碑や石仏・石像が所狭しと置かれています。一番多いのは庚申塔の石碑・石像ですが、中には変わったものもあります。
特に有名なのが摩利支天像です。大正12年に奉納されたそうですが、この姿の摩利支天像は全国に12体しか無いそうで、貴重なものです。
「お春像」と呼ばれる石像で天和4年と彫られていることから1684年に作られた石像だとされています。何の像かは不明ですが、外見から隠れキリシタン殉教の像と言われています。
馬頭観世音碑は鎌倉市内でも見かけますが、それほど数は多くありません。
丸い石(疱瘡ばあさんの石・手玉石)
境内には2つの丸い大きな石があります。
- 左側(スマホだと上側):疱瘡ばあさんの石
- 右側(スマホだと下側):手玉石(かめ石)
疱瘡ばあさんの石は、古くは見目明神の境内にあったもので、その昔疱瘡(天然痘)から身体を守るために、身体をこすりつけ祈念していたと伝えられています。
手玉石(かめ石)は、通称黒石と呼ばれ、重さ三十貫目(約112kg)あります。他に赤石と呼ばれる重さ四十貫目の石がありましたが、終戦間際の道路拡張の際に海岸近くの井戸に埋められてしまったといわれています。古来、この石で力比べをしていたと伝えられています。
旧諏訪神社の古祠
石上稲荷と神輿庫の間の細い通路を奥へと進むと旧諏訪神社の古祠があります。
古祠の中に入っていた神札は諏訪大社のもので、定期的にいただいてきているようです。
左の石碑は旧諏訪神社の記念碑で、大阪株式取引所(現・大阪取引所)の第二代頭取であった吉田千足(よしだちたる)の書とのことです。
山岳信仰の石碑
旧諏訪神社の古祠の奥に階段があります。この階段を上っていくと山岳信仰の石碑が並んでいる場所に出ます。
数多くの山岳信仰の石碑が並んでいます。
一番大きな碑には、御嶽大神・八海山大神・三笠山大神と刻まれており、木曽御嶽神社を元にする信仰の碑だと思われます。
五所神社へ参拝に行こう
いろいろ見どころが多い五所神社、思った以上に写真が多くなってしまいましたが、それでも伝えたいものの半分くらいです。
本当に多くの石碑・石像・石仏があったり神輿やお狐様に狛犬様と寺社仏閣好きな人なら楽しめるワンダーランドのようになっています。
それほど広くは無い境内で、ここまで楽しめる神社は鎌倉でもそれほど多くはありません。
御朱印もいただけるので、ぜひ参拝して五所神社を楽しんでください。
初夏なら紫陽花も楽しめます。
以上、初夏の五所神社の参拝参拝レポートでした。
- 住所:〒248-0013 神奈川県鎌倉市材木座2-9-1
- TEL:0467-25-0949
- 御朱印:あり
- 参拝可能時間:24時間(夜は危険)
- 社務所受付時間:概ね 9:00~16:00
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