長谷寺からほど近い甘縄神明宮、長谷寺のあじさい路の待ち時間に立ち寄ってみようかな?と思う方もいるでしょう。
だから甘縄神明宮にも紫陽花はあるのかな?と思うかもしれませんね。
初夏の甘縄神明宮の様子、紫陽花の様子を写真を添えて紹介します。
甘縄神明宮の紫陽花
気なる甘縄神明宮の紫陽花ですが、多少は咲いているものの、紫陽花を目的に訪れるような神社ではありません。
境内には紫陽花は点在して咲いていますが、普通に街を歩いていても見られる程度にしか咲いていません。
ざっと見た感じ、紫陽花の株は10も無いんじゃないかな?というくらいしか咲いていませんでした。
紫陽花の見頃は、年によって異なるものの例年5月末くらいから開花を始め、見頃は6月上旬から中旬にかけてです。
由比ヶ浜大通りから1本奥にある甘縄神明宮
甘縄神明宮は、由比ヶ浜大通りから1本奥に入ったところに鎮座しています。
長谷寺から鎌倉駅方面を結ぶ由比ヶ浜通りを長谷観音前交差点から、長谷寺とは反対方向に2分ほど歩いていくと鎌倉エフエム放送があり、その奥に甘縄神明宮の鳥居が見えます。
長谷駅から甘縄神明宮は5~6分くらいです。
上記の「長谷鎮守 甘縄神明宮」が目印です。
鳥居は石で出来たものです。
鳥居の左側には「甘縄神明宮」と刻まれた社号標が置かれています。
昭和7年(1932年)に甘縄神明宮から甘縄神明神社に改称されていますが、どこにも「甘縄神明神社」と描かれたものが無いのが面白いところです。
鳥居の前で一礼して境内へ、階段がいくつか続いているのがわかります。
甘縄神明宮の鳥居から拝殿の前までの境内の様子
境内へ入るとすぐ右側に「安達盛長邸址」の碑があります。
安達盛長(あだちもりなが)は、平安時代末期から鎌倉時代初期の武将で、源頼朝の側近の1人でした。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の1人でもあります。
なお邸跡ということで安達盛長の屋敷があったとされていますが、実際には御成町(鎌倉駅西口の辺り)に屋敷はあったというのが現在の有力な説です。
境内に入ってすぐ左側に上記の建物があり社務所かな?と思うかもしれませんが、これは地元の方が使う長谷公会堂と呼ばれる建物です。
神社の敷地に地元の公民館的な建物があるのは日本共通です。
右前方にも建物が見えます。これは「甘縄神明宮御神輿収納庫」です。
中には御神輿が収納されています。お祭の時に出されます。
再び左側を見ると、手水舎があります。
水は出ていなかったので、普段は水は止められているようです。
手水舎の後ろに石碑がありますが、これは万葉歌碑と呼ばれるものです。
「鎌倉の み越の崎の石崩の 君が悔ゆべき心は持たじ 」と刻まれています。
かなり意訳すると「あなたを後悔させるようなことは絶対にありません」という意味らしいです。
万葉歌碑の横には鎮魂と書かれた鎮魂碑があります。これはこの辺りで第二次世界大戦(太平洋戦争)で戦死した方の鎮魂碑ということで、昭和50年(1975年)の8月15日に建てられたものです。
鎮魂碑の更に奥に行くと庚申塚等の石碑等が草木に覆われていくつかありました。
拝殿へ向かう階段の左横には井戸の跡があります。
「北条時宗公産湯の井・二条公爵愛用の井」と刻まれた碑が置かれていました。
いよいよ階段を上って、甘縄神明宮の拝殿へと向かいます。
甘縄神明宮の拝殿と本殿と境内社
やや急な階段を上って甘縄神明宮の拝殿へと向かいます。
現在の拝殿と社殿は昭和初期に建てられたものということで、それほど古さは感じられません。
狛犬様はかなり鳩胸で凛々しい顔立ちです。
拝殿の装飾は比較的質素なイメージを受けました。
社号額は縦書きで「甘縄神明宮」となっています。
拝殿にあった張り紙「当宮の御朱印は大町八雲神社にて授与しております。」と書かれています。
拝殿の裏側に回ってみると、これ以上は立入り出来ませんが、本殿がありました。
拝殿と本殿が分離した形となっています。
境内社の五所神社(五社神社)
拝殿に向かって左側を見ると小さなお社が見えます。
これは明治25年(1892年)に合祀された五所神社です。
社号額には「五所神社」と書かれています。
しかし「鎌倉の神社 小辞典」には「五社神社」書かれており神奈川県神社庁ホームページの甘縄神明宮の説明では「五社明神社」と書かれています。
どちらが正確なのかわかりませんが、甘縄神明宮も正確には「甘縄神明神社」なので、この辺り、割りとアバウトなのかもしれません。
五所神社の後ろ側には初夏だとかなり茂った木々があり、まるで森林のパワーと神社のパワーが重なりご利益がありそうに感じました。
甘縄神社の境内社 秋葉神社と八十八壽の碑
拝殿に向かって右側を見ると大きな石碑があります。
「八十八壽の碑」と書かれています。建長曇華九十翁書とも書かれています。
米寿を祝っての石碑ですかね?由来はわかりませんでした。
この石碑のあたりから前を見ると住宅の奥に湘南の海が見えました。
石碑の左横を見ると少し苔むした階段の奥のお社が見えます。
甘縄神明宮のもう1つの境内社である「秋葉神社」です。
合祀された神社なのか由緒はわかりません。
社号額には「火防御守護 秋葉神社」と書かれています。
秋葉神社と言えば本宮は静岡県の秋葉神社で御祭神は火之迦具土大神(ほのかぐつちのおおかみ)です。
ただ甘縄神明宮の配神である伊邪那美命(いざなみのみこと)の御子神ではあるものの、伊邪那美命が命を落とすキッカケになっており、同じ境内に祀るのはどうなのかな?と少し不安になりました。
甘縄神明宮の本殿
秋葉神社に向かって左側に進める道があったので進んでみました。
すると先程下から見た本殿への階段が上から見られるようになっていました。
もちろん本殿もよく見えます。
生い茂った木々の中に鎮座する本殿、凄くパワーを感じる場所です。
甘縄神明宮の小さな石祠と湘南の海
境内社である秋葉神社の右横に簡素な石の鳥居がありました。少し古そうに見えます。
先に進めるので進んでみることに。
かなり険しく道です。
途中、海が見えました。
由比ヶ浜を超えた坂ノ下にある鎌倉海浜公園(坂ノ下部分)まで見渡せました。
この辺りまでくると完全に登山道です。
でもこの日、保育園か幼稚園の遠足?と重なり幼児達がこの登山道みたいなところを登っていっていて、びっくりしました。
大人でもかなりきついのに幼児が登るって…
なおこの先に石で出来た小祠があります。
古くは感じますが、極端に古いものでは無いように思うのですが、元々はここまでが境内でここに甘縄神明宮が祀られていたのかな?とも思いますが、いかがでしょうか?
この先にも進んでいきましたが、民家の敷地に入るようになり行き止まっていたので引き返しました。
帰りは滑りそうになりながら、恐る恐る降りてきました。
なお途中で奥に進める山道みたいなところがあり、進んでいくとやぐらがありますが、かなり初夏には茂っているので、行くはおすすめしません。冬場の方が良いでしょう。
初夏の甘縄神明宮に行こう!
甘縄神明宮の近隣は、長谷寺にも近いので初夏の6月ともなれば非常に混み合うのですが、甘縄神明宮まで来る人は少なく、非常に落ち着ける場所です。
長谷寺のように紫陽花が咲き乱れるということはありませんが、少しは紫陽花も咲いていて鎌倉らしさを感じさせてくれます。
甘縄神明宮の御朱印がいただける八雲神社は鎌倉駅から徒歩10分もしない場所にあるので、帰りに八雲神社に立ち寄って御朱印をいただくのもおすすめです。
是非、初夏の甘縄神明宮に参拝で訪れてくださいね。
以上、初夏の甘縄神明宮を参拝し登山気分を味わってきた参拝レポートでした。
- 住所:〒248-0016 神奈川県鎌倉市長谷1-12-1
- TEL:0467-22-3347(大町八雲神社)
- 御朱印:あり(大町 八雲神社にて)
- 参拝可能時間:日のある内
- 社務所受付時間:社務所なし
鎌倉の代表的な神社