夏真っ盛りの8月の前半、銭洗弁財天宇賀福神社へ参拝に行ってきました。
鎌倉の中では鶴岡八幡宮についで人気のある神社ですが、その人気の理由がわかるちょっと異質な空間の中にある神社でした。
夏の銭洗弁財天宇賀福神社の様子を写真を添えて紹介します。
銭洗弁財天宇賀福神社の入口となるトンネル
銭洗弁財天宇賀福神社は、鎌倉駅西口から徒歩20分ほどの距離ですが、後半は割とキツめの坂道です。
真夏ともなれば、この坂道を上るので汗が吹き出してきます。
そして銭洗弁財天宇賀福神社の入口に到着。
ガイドブック等でも銭洗弁財天の入口はトンネルになっていると書かれていますが、実はこのトンネル側の入口というのは、昭和初期に作られたもので、それ以前は今は裏参道とされている細い路地を通ってくるものだったそうです。
つまり実質的には、裏参道が表参道に、表参道が裏参道にいつのまにか切り替わったとのことです。
銭洗弁財天宇賀福神社が創建されたのは1200年頃と言われているので、かなり経ってからトンネルが作られたことになります。
非常に大きな社号標が建っています。
そしてトンネルに入って銭洗弁財天の境内へ向かいますが、トンネルの中は天然のクーラーが効いた部屋で、ここで汗を引かせることが出来ました。
実際に通ると人しか通れそうも無いと思うでしょう。でも軽自動車・軽トラックくらいまでなら通れる広さがあります。
もちろん一般の人は車では進入してはいけませんが、関係者や取引先?は車で入ってくることがあります。ただ入口の進入角を間違えると鳥居の台座に乗り上げてJAF等を呼ばないと進めなくなります。
この日は、帰りに上記の写真の通り、進入角を間違えて立ち往生している車に出会いました。
銭洗弁財天宇賀福神社の境内の違和感
トンネルを抜けると、鳥居がいくつか連なっており、稲荷神社のような雰囲気が出ていました。
もっとも銭洗弁財天宇賀福神社の「宇賀福神社」の「宇賀」は、宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)と同一の神だとされていて、銭洗弁財天宇賀福神社は元々、稲荷神社だったのではないか?という説もあるくらいです。
近くの佐助稲荷神社に伝わる伝説と銭洗弁財天宇賀福神社に伝わる伝説は非常に似ていて、ともに源頼朝に関係しており、実は同じ神社だったのではないか?と言う説を唱える人もいるそうです。
トンネルを出ると目の前の鳥居に目がいきますが、右側を見ると手水舎がありました。2021年の訪問だったので、感染症対策で手水舎の水は停められていました。
反対側にはトイレがあります。
鳥居を出て正面を見ると休憩所があります。
左側を見ると売店があります。
右側を見ると社務所があり、その奥に本社があります。
本社の左側には奥宮があり、本社の前には鳥居が並び狛犬まで置かれています。
鳥居の数はトンネルを出た時よりも多くなっています。
ここで違和感が…
本社の位置と鳥居が並ぶ位置がおかしいということに。
あ~!!元々トンネルは裏参道だったから、元々の表参道の場所から考えたら当たり前の配置だ!ということに気が付きました。
簡単に銭洗弁財天宇賀福神社の境内の案内図を書くと上記の通りです。
裏参道が元々の表参道なので、元々の表参道基準で考えると鳥居の数や狛犬の位置、本社の位置に納得します。
銭洗弁財天宇賀福神社の本社
上記写真は裏参道(元々の表参道)を参道から写したものです。
この写真を写したところから振り返ったのが下記の写真です。
木製の鳥居が立ち並んでいます。
なぜか裏参道から入ってきたすぐ脇にお地蔵様が置かれていました。
参道の途中に参道に対して直角に配置された鳥居と石碑があります。
鳥居の奥には石碑が置かれています。
鎌倉五名水と刻まれ弁財天様も刻まれています。
銭洗弁財天宇賀福神社の奥宮から流れる水は鎌倉五名水の1つとされていて、それに関連した石碑なのでしょう。
この石碑の先からは石の鳥居に切り替わります。
鳥居を抜けると左右に凛々しい狛犬様が鎮座しており、その奥に本社があります。
右側には常香炉が置かれています。
通常、常香炉と言えば寺院にあるものですが、おそらくは元々神仏習合の寺社だったため、常香炉がそのまま残っていたのかな?と思います。
階段を数段上り、本社の前にたち二拝二拍手一拝で参拝です。
本社には2枚の扁額がかけられていました。
銭洗弁財天宇賀福神社の奥宮
本社の横は洞窟になっているのですが、この中が奥宮です。
奥宮こそ銭洗弁財天宇賀福神社のメイン会場と言えます。
入口の脇には「奥宮」の社号標が置かれていました。
中に入ると夏でも少しひんやりとします。洞窟ならではの冷気があるからでしょう。
銭洗弁財天宇賀福神社と言えばザルにお金を入れてお金を洗いお財布の中に入れておけばお金が増えると言われおり、このために訪れる人も多いのですが、お金を洗う場所があるのが、この奥宮です。
社務所でかごを借りて、お金を入れて洗います。
洗うといってもゴシゴシと洗う訳ではなく、ザルに入れたお金に柄杓で水をかけるというものです。
水は泉の中からすくってかけますが、泉の中にはお金が落ちています。洗っている時に落としたのか、お賽銭として入れていっているのか、それはわかりませんが、トレビの泉っぽくお金を入れていってるのかな?と思いました。
なお洞窟といっても奥の上は穴が開いています。
泉に洞窟を覆う木々の葉が映り綺麗に見えます。光の進入角的に夏場が一番綺麗に泉に映る景色を見られます。
洞窟は左側にも続いてこの奥に奥宮が置かれています。
奥宮でも二拝二拍手一拝をして参拝しました。
奥宮の反対側には古神札や御守を入れる納札所がありました。
洞窟内は本当に涼しくて夏場だとここでゆっくりしたくなるでしょう。
冬場は逆に暖かく感じるかもしれません。
お金を洗い、奥宮に参拝をして洞窟を出ました。
銭洗弁財天宇賀福神社の上之水神宮
奥宮から出て本社の前を通り、本社の右側にある通路を通って、上之水神宮へと向かいます。
銭洗弁財天宇賀福神社には2つ(細かく分けると3つ)の境内末社があり、その1つが、上之水神宮です。
水神宮は上下あるので、細かくわけると2社ということになります。
途中というか本社の裏側には「龍神水おみくじ」のための龍神様が置かれています。
水おみくじは社務所で販売されています。
水おみくじは、おみくじを水につけると文字が浮き出てくるというものです。
本社横の階段を上り終えると上之水神宮の鳥居と狛犬様が鎮座しています。
すごい鳩胸の狛犬様です。
先に進むと小さな池があります。
魚(金魚かな?)が泳いでいました。
水が流れる音が心地良い場所です。
その奥に洞窟に半分埋まったようにある銭洗弁財天宇賀福神社の上之水神宮があります。
お社の前には立派な塔がありました。
ここでも二拝二拍手一拝をして参拝しました。
社殿にかかる扁額には「上之水神宮」と書かれています。一部サイトやガイドブックには「上之水神社」と書かれていますが、境内の案内図・扁額には「上之水神宮」と書かれているので、上之水神宮が正しい表記と思われます。
中は岩をくり抜いて作られています。
上之水神宮の鳥居を出て前の階段を降りて、次は下之水神宮へ向かいます。
銭洗弁財天宇賀福神社 下之水神宮
上之水神宮の前の参道を下ってくると下之水神宮に出ます。
鳥居の奥には割と可愛い顔の狛犬様が鎮座しています。
銭洗弁財天宇賀福神社 下之水神宮の前には池があり赤い欄干の橋を渡って参拝します。
橋の上から左側を見ると滝があるのがわかります。
残念ながら天然の滝ではなく人工の滝ということですが、ちょうどここは日陰になっている場所であり、滝の音で夏でも涼しく感じられます。冬だと寒いかも。
こちらの社殿も岩をくり抜いて作られています。
扁額には「下之水神宮」と刻まれていました。二拝二拍手一拝をしてここでも参拝です。
お社の左右にも岩がくり抜かれ、(おそらく)五輪塔が置かれています。
橋の上から滝とは反対側を見ると建物が奥に見えます。これが七福神社です。
銭洗弁財天宇賀福神社 七福神社
トンネルの参道に一番近い場所にあるので、七福神社です。
こちらにも狛犬様が鎮座しています。銭洗弁財天は、奥宮以外のお社に狛犬様が置かれています。
こちらは岩の中ではなく普通にお社が建てられています。
お社の中を覗くと七福神の木造が置かれているので、是非見てください。
お社の前から下之水神宮の方を見ると滝と下之水神宮が見えます。
銭洗弁財天宇賀福神社の社務所で御朱印をいただく
銭洗弁財天宇賀福神社の社務所は境内の中央付近にあります。御朱印は本社と本宮にお参りした後にいただけば良いのですが、末社にも参拝した後にいただきました。
訪れたのは2021年8月ということもあり感染症対策の一環として、御朱印は書置きのみとなっていました。落ち着いたら御朱印帳に記帳してもらいにまた訪れます。
御朱印には「鎌倉五名水」「かまくら隠れ里」とも記されていました。
8月ではなく「葉月」としているところも良いですね。
夏の銭洗弁財天宇賀福神社は避暑にも良い場所
夏の銭洗弁財天宇賀福神社は、ほぼ四方を山で囲まれているため、風はほとんど吹いていませんが、木陰もあり、洞窟もあり、滝もあり涼しいところが多いのが特徴で、避暑にもパワースポットでした。
四方を山に囲まれているといってもそれほど高い山ではなく、むしろ山の中のくぼみにあると言った方が良いのかもしれません。
濃い緑に囲まれ、とても清々しい、そして凛とした空気が漂う場所です。
特にトンネルをくぐって境内に入るという非日常的な体験が神秘的に思わせてくれます。
夏の鎌倉は海側は混雑するものの、山側はそれほど混雑しない時期です。比較的ゆっくりと参拝することが出来ます。
来るまでの坂道で汗を書いて冷たいものが食べたい!なんて時は境内にある売店で、かき氷も食べられます。
近くには、御朱印のいただける佐助稲荷神社・葛原岡神社もあり、御朱印巡りにも最適な場所です。
是非、夏の銭洗弁財天宇賀福神社に訪れてくださいね。
以上、夏の銭洗弁財天宇賀福神社への参拝レポートでした。
- 住所:〒248-0017 神奈川県鎌倉市佐助2-25-16
- TEL:0467-25-1081
- 御朱印:あり
- 参拝可能時間:24時間(夜は危険)
- 社務所受付時間:8:00~16:30(巳の日は6時から)
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