鎌倉駅からもほど近い妙本寺へ、まだまだ暑い9月後半に参拝へ行ってきました。
9月の花の時期も終わり、紅葉も始まっていない時期ですが、とても静かな境内にまだ青い木々が広がり、ゆっくりと参拝することが出来ました。
実際の様子を写真を添えて紹介します。
夷堂橋から妙本寺の総門まで
鎌倉駅から妙本寺まで歩いて向かう途中、鎌倉十橋にもなっている夷堂橋があります。
夷堂橋を渡り、左側へ向かうと妙本寺の寺号標があり、まっすぐ妙本寺へと続いており、奥に妙本寺の総門が見えます。
夷堂橋から約100メートルです。
石塔と妙本寺の説明板、その後ろに「比企能員邸阯の碑」があります。
総門にかかっている扁額には「妙本寺」と描かれています。
総門の鬼瓦の家紋のようなマークは、日蓮宗の寺紋で「井桁に橘」というものです。
元々は日蓮宗の宗祖である日蓮の家紋で、父・貫名重忠の貫名家の家紋でもありました。
比企谷幼稚園
総門の右側に八角形の形をしたお堂のような建物があります。妙本寺の御堂の1つかな?と思うかもしれませんが、こちらは比企谷幼稚園です。
元々は妙本寺の「大円坊」という塔頭の1つでした。
土日だと幼稚園はお休みなので、妙本寺の施設の1つと勘違いしたままかもしれませんが、平日になるよ園児たちの声が聞こえてきたり、朝や昼くらいになると送迎の親御さん達で、賑わっています。
妙本寺の総門から二天門まで
総門・比企谷幼稚園を超えて進むと両側に民家がありますが、少し先まで進むと森が広がる参道となります。
このまままっすぐ進むと二天門という大きな山門があります。
左側を見ると黒い小さな門があります。
「妙本寺方丈」と書かれた看板がついており、先には階段が見えます。この階段を上っていくと寺務所と本堂がありますが、帰りはこの階段の上から戻ってくるように回るのが一般的です。
すぐ横には妙本寺の境内図がありました。
再び参道に戻り妙本寺の有名な二天門・祖師堂を目指します。
ここから参道の脇には森が広がり、晴れた日なら木漏れ日が木々の緑を照らし、神々しい雰囲気が漂いますが、概ね初夏から初秋くらいまでです。
晩秋になると紅葉となり冬から春は葉が落ちて少し寂しい感じに変化します。
そして階段があり、その上に門が見えます。
初夏から初秋にかけては青々しい木々の葉で美しいですが、晩秋になれば紅葉で更に美しくなりそうです。
青い紅葉も綺麗ですよね。
そして妙本寺の山門といえる二天門へ到着です。
初夏から初秋にかけて午前中は二天門の後ろに太陽があり逆光で近くからだと暗く写ってしまうので、二天門を綺麗に写すのなら夕方以降が良いかもしれません。夕方になるとほぼ順光になるので。
二天門の上の方を見ると龍が彫られているのがわかります。
四方には唐獅子と象の木彫像が取り付けられています。
門の左右には二天の像があります。左側が多聞天(毘沙門天)、右側が持国天と言われています。
二天門の由来は、仏教守護神の四天王のうち多聞天と持国天を安置しているからだと言われています。
そして二天門から本堂と勘違いされることが多い妙本寺の祖師堂が見えます。手前にあるのは賽銭箱で、拝観料代わりに入れるようになっています。気持ちで良いので、少しでもお金を入れたいものですね。
妙本寺の祖師堂
一般的にお寺と言えば本堂が一番大きな建物ですが、妙本寺は祖師堂が一番大きな建物です。
祖師堂には、妙本寺の開山である日蓮・2代目住職 日朗・3代目住職 日輪が祀られているそうです。
元々は2代目住職の日朗が創建したそうですが、天保年間(1830年~1843年)に47代目住職の日教によって再建されたそうです。1838年に再建されたと考えられています。
非常に大きな建物です。
近づいてみるとより大きさがわかります。
上には龍神が彫られていました。
ここでお唐獅子と象の木彫像が取り付けられています。
土足のまま板の部分まで上がれるようになっています。
平日だと誰も居ない時間帯があって、そんな時は少し怖く感じるかもしれません。
板張りのところは、左右には進めますが裏側は通行止めがありいけません。
ただ祖師堂の裏側にはやぐらのように岩壁が切り込まれたスペースがあり、そこの仏像が置かれていました。
でも誰も居ない時はここに座ってゆっくりと景色を眺めているのも良さそうです。
二天門と木々を見ながら落ち着いた時間を楽しむことが出来ます。
妙本寺の手水舎
二天門と祖師堂の間に手水舎があります。
柄杓がおいてあるのは2021年としては珍しいです。
センサータイプのようで近づくと龍神の口から水が出てきます。
比企一族の墓と源媄子の墓
鎌倉の大きなお寺だったり有名なお寺には、歴史で登場する人物のお墓がよくあります。
妙本寺では比企一族の墓と源媄子(みなもとのよしこ)の墓があります。
比企一族の墓
祖師堂にむかって右側に「比企一族の墓」があります。
鎌倉殿の13人の1人であった比企能員をはじめとする比企一族の墓とされています。
比企能員は総門の近くに住んでいたとされています。
源媄子の墓
祖師堂にむかって左側に池があり、池の横に階段があります。階段を上っていくと墓地となりますが、墓地の一番奥に源媄子の墓と伝わる墓があります。
何が刻まれていたのか今ではわかりませんが、横には石碑があり「源媄子の墓」と刻まれています。
源媄子は、鎌倉幕府2代将軍源頼家の娘ですから、源頼朝の孫にあたります。
源媄子とは言われず一般的には竹御所と言われることが多くなっています。
源媄子の母は、比企能員の娘、若狭局(わかさのつぼね)と考えられています。
妙本寺には「蛇苦止堂」という御堂があり、そこには若狭局を祀っています。
妙本寺の本堂と寺務所
二天門の横に本堂と寺務所につながる道があり、その道を進んでいくと鐘楼があります。
途中に歴代住職の墓「歴代廟」もあります。
そして妙本寺の本堂にたどり着きます。
祖師堂に比べると小さいのですが、それでも立派な本堂です。
本堂の上には唐獅子の鐙瓦があります。
本堂中央の鬼瓦にはササリンドウのマーク、鎌倉市の市章にもなっているものですが、源頼朝の家紋とも言われているものです。
本堂の天水盤は苔が生え、中の水に反射してとても綺麗な景色を紡ぎ出している時があるので、是非見てください。
本堂から少し先に進むと寺務所があります。
御朱印はこちらの寺務所でいただきます。
御朱印の他に日蓮宗なので御首題もあります。
寺務所から先に進むとトイレがあります。
その先に階段があり、「妙本寺方丈」という看板がある門にたどり着き、妙本寺を1周したことになります。
蛇苦止堂
妙本寺の境内図に少し外れて「蛇苦止堂」なるものが書かれています。
参道との分岐路から奥に進むと「蛇苦止堂」があります。
比企の乱で滅ぼされた比企能員の娘・若狭局の祟りを鎮めるために作られたと言われる御堂です。
近くには若狭局が身を投げたと伝われる「蛇苦止(じゃくし)の井」があります。
是非、蛇苦止堂にも訪れてください。
初秋9月の妙本寺は落ち着いた時間を過ごせる
今回訪れたのは9月の後半、もうすぐ10月となる頃です。
9月の花として有名な彼岸花の時期も終わり、紅葉もまだまだの時期です。参拝で訪れる人も少ない期間です。
だからこそゆっくりと終わりゆく夏の鎌倉を楽しむことが出来ました。
もっと人気のお寺や神社はありますが、ゆっくりと出来る広いお寺として訪れてみてはいかがでしょうか?
きっとゆっくりとした鎌倉の風景を楽しむことが出来ますよ。
以上、初秋9月の妙本寺への参拝レポートでした。
- 住所:〒248-0007 神奈川県鎌倉市大町1-15-1
- TEL:0467-22-0777
- 御朱印:あり
- 写経:あり
- 参拝可能時間:24時間(夜は危険)
- 寺務所受付時間:9:00~17:00
- 拝観時間:9:00~17:00
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