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初秋9月の浄智寺へ参拝にいってきた。

石段と鐘楼門 寺院訪問・参拝レポート

北鎌倉駅からほど近い浄智寺へ、9月の後半に参拝に行ってきました。

夏から秋へと移りゆく季節で、あまり人の来ない時期でゆっくりとした雰囲気を楽しました。

浄智寺の見どころを含めて浄智寺の様子を写真を添えてお伝えします。

浄智寺の入口と甘露ノ井と山門

浄智寺の入口につながる道

北鎌倉駅から神奈川県道21号線「横浜鎌倉線」を東南方向に400メートルほど歩いていくとJR横須賀線の「第三鎌倉道踏切」の少し手前に浄智寺へ続く道があります。

浄智寺の寺号標

「五山 第四 浄智寺」と書かれた寺号標があるので、わかりやすくなっています。

浄智寺入口のバス停

すぐ前が鎌倉駅からのバス停(バス停名は明月院)になっているので、少しでも歩く距離を減らしたい人は、鎌倉駅(もしくは大船駅)からバスで向かうのが良いかもしれません。

ただ渋滞が酷い時もあるから時間が読みにくいのが欠点です。

浄智寺の入口

浄智寺の寺号標から正面を見ると浄智寺の山門が見えます。距離にして約50メートルです。

浄智寺の入口

そして浄智寺の入口へ。

左の道をまっすぐ進むと通行止めになっていますが、葛原岡大仏ハイキングコースになっていて、葛原岡神社に続いています。

浄智寺

橋がありますが、通行止めになっています。脇道を通って山門へと向かいます。

浄智寺の見どころ1・甘露ノ井

甘露ノ井

山門に進む前に橋の先にあるところを見てください。

甘露ノ井

「甘露ノ井」と書かれた石塔があり、井戸の跡があります。

これは鎌倉十井の1つ「甘露ノ井」です。

鎌倉十井とは、鎌倉の観光名所とされた良質な水が湧いたり、伝説が残ったりしている10の井戸(井戸跡)のことです。

ここが浄智寺の1つ目の見どころです。

はっきり言えば面白みのあるものでは無いのですが、話のタネとして鎌倉十井を知っていても良いのではないでしょうか?

浄智寺の見どころ2・山門

浄智寺 山門

甘露ノ井を越えて先に進むと浄智寺の山門が見えてきます。

浄智寺に来る前に円覚寺や建長寺の山門を見た後だと「小さ!」と思うかもしれませんが、シンプルな山門の良さもあると思いませんか?

浄智寺

大きな迫力ある山門も良いですが、こういう小さな山門も好きです。

山門の扁額には「寶所在近(ほうしょざいきん)」と書かれていますが、これは「仏を信じ、修行を積めば心の平穏が得られる」という仏の教えを意味しているそうです。

この山門と奥に広がる石段と緑の木々の光景は初夏から初秋までの景色です。好みもありますが、紅葉よりも緑の木々の方が好きという方には、涼しくなってきた9月末頃に訪れるのが良いのではないでしょうか?

浄智寺 山門

階段を上って山門の前へ。

山門の前には3つの案内板があります。

鎌倉市設置 浄智寺説明板

鎌倉市設置案内板

神奈川県設置 浄智寺国指定史跡案内板

神奈川県設置案内板

鎌倉市設置 文学案内板

文学案内板

上記3枚の写真はパソコンであればクリックで拡大して読むことが出来ます。

浄智寺のトイレと駐車場と岩窟

山門を越えて少し進むと右側に浄智寺の駐車場があります。

浄智寺 駐車場

駐車場の奥を是非見てください。

浄智寺の見どころ3・駐車場の岩窟

浄智寺 駐車場の岩窟

駐車場の崖に岩窟・岩穴があります。

浄智寺 駐車場の岩窟

中には石塔がいくつかあります。やぐらにしては均一的に作られてないので、この穴は自然に出来たものか、後世に作られたものだと思うのですが、割と迫力があるので、ぜひ見てください。

浄智寺のトイレ

駐車場の入口にはトイレもあるので、ここでトイレは済ませておきましょう。

浄智寺 参道

駐車場から戻って再び参道を上っていきます。

浄智寺の鐘楼門と受付

石段と鐘楼門

山門から石段を上っていくと2階建ての門が見えてきます。

浄智寺 鐘楼門

これが浄智寺の鐘楼門です。

浄智寺 受付

鐘楼門の手前に受付があり、ここで拝観料を支払います。

浄智寺 受付

受付の方がいない時もあり、小銭が無い場合は御朱印受付の玄関まで行って支払うので、小銭(大人200円・中学生以下100円)を用意しておきましょう。

浄智寺 拝観料入れ

受付の方がいない時は箱が用意されているので、この中に寄付兼拝観料を入れます。

浄智寺の見どころ4・鐘楼門

浄智寺 鐘楼門

鐘楼門が浄智寺4つ目の見どころです。

鐘楼門も山門の1つですが、唐様の鐘楼門は鎌倉では珍しい存在です。

浄智寺 鐘楼門

2階部分を見ると扁額があり、鐘が見えます。

上部を見ると正三角形ではなく、少し潰れ気味の三角形が3つ連なったマークが見えます。これは北条家の家紋の「三つ鱗」と呼ばれるものです。

北条宗政の菩提を弔うため北条師時が創建した寺院だけに北条家の家紋がついています(実際の創建は宗政の妻と兄・北条時宗と考えられています)。

浄智寺 鐘楼門の扁額

「山居幽勝(さんきょゆうしょう)」と書かれています。意味は「山の住まいは良いところだ」という意味とのこと。

浄智寺 鐘楼門

横から見ると2階部分に鐘をつく木があることがわかります。

浄智寺 鐘楼門

この門自体は2007年に再建されたもので、古いものではありませんが、梵鐘は慶安2年(1649年)に作られたものとのことです。

大正時代の関東大震災で壊れてしまったものが多い浄智寺ですが、梵鐘はさすがに地震でも火事でも残りますね。

浄智寺 本堂 曇華殿(どんげでん)

浄智寺 鐘楼門

鐘楼門をくぐり先に進みます。

浄智寺 本堂 曇華殿(どんげでん)

すると右側に御堂が見えます。これが浄智寺の本堂である「曇華殿(どんげでん)」です。

浄智寺の見どころ5・曇華殿と木像三世仏坐像

浄智寺 本堂 曇華殿(どんげでん)

立派な御堂です。

浄智寺 本堂 曇華殿 扁額

扁額には「曇華殿」と描かれています。

浄智寺 曇華殿と木像三世仏坐像

中には木造の仏像が3躯 中央に置かれています。

左から「阿弥陀・釈迦・弥勒」の各如来で、『過去・現在・ 未来』の時を象徴しているそうです。

北欧神話の「ベルダンディー(現在)・ウルド(過去)・スクルド(未来)」みたいだな~と思ったのは内緒の話。神話にはよくあるものです。

この3つの仏像は神奈川県の文化財に指定されています。

浄智寺 本堂 曇華殿(どんげでん)

裏側に回れるようになっているので、裏側に回ってください。

浄智寺の見どころ6・木造 聖観音菩薩立像

浄智寺 本堂 曇華殿 裏側

曇華殿の裏側に回ると右側に木の格子があります。

浄智寺 木造 聖観音菩薩立像

格子の中に木造の聖観音菩薩立像があります。

この立像が鎌倉三十三観音霊場 第31番の観音様です。

鎌倉三十三観音霊場 第31番

横には、鎌倉三十三観音霊場の御詠歌の額もかかっています。

鎌倉三十三観音霊場の御朱印を集めているのなら、必ず参拝してからいただきましょうね。

浄智寺の親子の仏像

観音像のすぐ近くにまるで聖母マリア様がキリストを抱いたような観音像があるので、ぜひ見てください。子安観音というらしいです。

世界平和の塔?海会堂

浄智寺 世界平和の塔?

曇華殿の先に丸い石が上に置かれた石塔があります。

浄智寺 世界平和の塔?

横には「世界平和」と書かれた石碑もあります。

この塔が何なのかよくわからないのですが、海会堂という永代供養墓だと思われます。

浄智寺の書院とやぐら

曇華殿の裏側に進むのが浄智寺の拝観コースになっていますが、曇華殿の裏側に素敵な茅葺屋根の日本家屋があります。

浄智寺の見どころ7・書院

浄智寺

素敵な茅葺屋根の家屋は浄智寺の書院で大正13年(1924年)に建てられたそうです。

庭には四季の花が咲いています。

浄智寺

ぐるっと回って拝観コースの最後の方で反対側から見ることが出来ますが、これが日本の風景と言える素敵な光景となっていました。

天気が悪い日や書院を使っている時は見えないですが、運がよければこの光景に出会えます。

浄智寺の見どころ8・やぐら

浄智寺のやぐら

拝観コースを進んでいくとやぐらが見えてきます。

浄智寺

やぐらは、古くは住まいとして、その後は墓所として、近世では倉庫として使われてきました。

主に鎌倉だと墓所として紹介されているものです。

鎌倉らしい光景の1つです。

浄智寺のタヌキの置物

なぜかタヌキの置物が置かれています。

浄智寺のやぐら

現在のやぐらの中には仏像だったりお地蔵様が置かれています。

浄智寺の布袋尊と素掘りトンネル

浄智寺の素掘りトンネルと観音様

やぐらから先に進むと素掘りのトンネルと観音様の岩窟があります。

浄智寺 観音様の岩窟

「かんのんさま」と書かれた看板がありその奥に岩窟があります。

浄智寺 観音様

岩窟の中には2躯の観音様像がありました。

浄智寺の素掘りトンネル

その横には「鎌倉江の島七福神」の布袋尊のある場所につながる素掘りトンネルがあります。

浄智寺の素掘りトンネル

1人しか通れない狭いトンネルをくぐった先には墓地がありますが、その奥に布袋尊像が鎮座しています。

浄智寺の見どころ9・布袋尊像

浄智寺 布袋尊像

トンネルをくぐり先に進んだ先にやぐらの中に布袋尊像が見えてきます。

浄智寺 布袋尊像

この石像が鎌倉江の島七福神の布袋様です。

浄智寺 布袋尊像

金運・財運上昇等のご利益があると言われています。

浄智寺 布袋尊像の後ろの観音像

布袋様の後ろに観音像もあるので、合わせてお参りしましょう。

浄智寺の八幡宮

浄智寺 布袋尊像

布袋尊像に向かい左側に小さな石祠が見えます。

浄智寺 八幡宮

この小祠は八幡宮を祀っているものです。

浄智寺 八幡宮

武家であれば八幡さまを祀るのは普通のことであり、武家であった北条家が祀っていたとしてもおかしくはありません。

浄智寺の御朱印所

浄智寺 書院と御朱印所

布袋尊像を後にして拝観コースの最後が書院と御朱印所です。

浄智寺 御朱印所

書院の右奥に朱印所があり、こちらで御朱印はいただけます。

御朱印帳1冊につき1つの御朱印なので、複数の御朱印をいただきたい場合は、複数の御朱印帳が必要になります。

浄智寺

最後に門をくぐりこれで拝観コースを1周したことになります。

元気があれば天柱峰碑(てんちゅうほうひ)へ

浄智寺の境内は、裏山にも続いています。

浄智寺の見どころ10・天柱峰碑

浄智寺 天柱峰(てんちゅうほう)

一旦境内を出て、ハイキングコースを上っていくと天柱峰(てんちゅうほう)と呼ばれる石塔があります。

浄智寺 天柱峰

浄智寺から15~20分の上り坂の登山道ですが、元気があればここまで行くのも良いのではないでしょうか?

浄智寺には中国から来た高僧中・竺仙梵僊(じくせん ぼんせん)がいました。

天柱峰は竺仙梵僊が名付けた丘で「天柱」とは「世を支える道義」という意味です。

天柱峰碑は昭和16年に建立された石碑です。

初秋の浄智寺へ行こう

浄智寺 鐘楼門とススキ

9月の後半になるとススキの穂が綺麗に揺れてくる頃です。

浄智寺 書院の庭の花

この時期の花も咲いています。

夏が終わり少し涼しくなってくるにつれて、北鎌倉は少しずつ観光で訪れる人が増えてくる時期ですが、9月後半から10月は比較的まだ訪れる人が少ない時期で、ゆっくりと浄智寺を見ることが出来ます。

浄智寺

紅葉の時期は11月後半から12月になりますが、この初秋はまだ緑が濃い時期で青々しい景色が広がる時期です。

目に優しい緑を見ながら、ぜひ浄智寺に参拝して近隣を散策してください。

以上、初秋9月の浄智寺への参拝レポートでした。

  • 住所:〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内1402
  • TEL:0467-22-3943
  • 御朱印:あり
  • 写経:なし
  • 参拝可能時間:9:00~16:30
  • 寺務所受付時間:9:00~16:30
  • 拝観時間:9:00~16:30

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