鎌倉市内の日蓮宗・日蓮宗系の寺院
日蓮宗および日蓮宗系の寺院は鎌倉市内に30ヶ所以上あり、鎌倉市内でもっとも寺院数が多い宗派です。
日蓮宗は、日蓮を宗祖とし、身延山久遠寺を総本山としていますが、日蓮が鎌倉に移り、名越の松葉ヶ谷に草庵を構えて弘教活動を開始したこともあり日蓮宗の寺院が多くなっています。
大町・材木座の日蓮宗寺院
名越の松葉ヶ谷に草庵を構えて弘教活動を開始したり、辻説法を行ったエリアが大町から材木座あたりということで、このエリアには日蓮宗の寺院が多数あります。
安国論寺
日蓮が鎌倉に来て布教を行うために建てた草庵が元になったと言われています。
境内の半分は山で、ぐるっと1周出来るハイキングコースのようになっており、自然の中を散策しているように思える参拝コースがあります。
常栄寺
境内は狭いものの草花が豊富で四季の変化を楽しめます。
常栄寺という名称よりも地元では「ぼたもち寺」の別称で覚えられていることが多く、面白い伝承が残っていいます。
上行寺
お寺なの?神社なの?と思う、そして看板に驚く一風変わった外観から少し入りにくさを感じるかもしれませんが、鎌倉時代に創建された由緒あるお寺です。
癌封じにご利益があるとされ、平日でも割と多くの参拝者が訪れています。
大宝寺
少し奥に入ったところにあるため訪れる人も少なく、観光で訪れる人は更に少ないですが、その分、静かで落ち着ける雰囲気があります。
佐竹氏ゆかりの寺として、佐竹氏の遠祖にあたる源義光の霊廟もあります。
本興寺
日蓮は鎌倉各所の辻(交差点)で説法を行っていました(辻説法)。その辻説法が行われた由緒の1つであった場所に本興寺が建立されました。
JR横須賀線が近くに通る割に境内は静かで落ち着いて参拝出来ます。
妙法寺
日蓮が鎌倉に来て布教を行うために建てた草庵が元になったと言われています。
境内にある石段(石の階段)は苔で覆われ「苔の寺」「苔寺」とも言われおり、また鎌倉の海・由比ヶ浜を一望出来る絶景スポットもあります。
妙本寺
広い境内には四季の花が咲き、まっすぐ伸びる参道の先にある大きな二天門と呼ばれる門と祖師堂がとても印象的です。
霊跡寺院となっており鎌倉市内の日蓮宗の寺院としては格の高いお寺です。
啓運寺
非常に小さなお寺でほぼ無人ですが、境内は定期的に掃除され管理はされています。
この寺の本堂を一時期、日本画家の黒田清輝がアトリエにしていたそうです。15世紀後半に創建されたお寺で由緒はあります。
実相寺
メインの通りから1本奥に入った通りにあるため目立ちませんが、その分落ち着いた雰囲気があり静かな境内です。
鎌倉時代の武将工藤祐経の屋敷跡に建てられたと言われています。
長勝寺
伊豆に流されていた日蓮が鎌倉に戻った際に庵を寄進したのが起源とされています。
晴れていれば材木座海岸から由比ヶ浜まで見渡せる景観の良い鎌倉材木座霊園も長勝寺の境内です。
妙長寺
日蓮を助けた漁師の子、日実が開山したと伝わっており、材木座の漁師の信仰を集めていたとされています。
小説家の泉鏡花が1891年(明治24年)の夏に滞在し、「みだれ橋(現・星あかり)」を執筆したそうです。
小町・扇ガ谷の日蓮宗寺院
小町周辺は、日蓮に関する史跡もあります。
本覚寺
鎌倉駅からも徒歩5分弱で来れること、鎌倉十三仏霊場・鎌倉江ノ島七福神にもなっていることから、多くの人が訪れています。
生活道路のように使う人もいて、いつも境内には人が行き交っています。
妙隆寺
ややわかりにくい位置にあります。
鎌倉江の島七福神の寿老人を祀っていること、鎌倉駅からも近いお寺ということもあり、それほど大きくは無いお寺にしては多くの人が訪れています。
妙伝寺
昭和中期に東京から鎌倉市に遷座してきたため、鎌倉市内では比較的新しいお寺となっています。
広くは無い境内ですが、扇ガ谷の中でもかなり奥にあるため、とても静かな場所にあります。
薬王寺
北鎌倉から鎌倉駅方面に抜ける亀ヶ谷坂切通を越えたところにあります。
広くは無い境内ですが、高台になっており海も望める展望の良いお寺で、徳川家ともゆかりがあります。
長谷・七里ヶ浜の日蓮宗寺院
宗玄寺
江ノ電「長谷駅」から近く、境内には四季それぞれに花が咲くことで「花の寺」としても知られています。
大きなお寺ではありませんが、緑が多く落ち着ける雰囲気があります。
光則寺
紫陽花で有名な長谷寺のすぐ近くにあり、平日は幼稚園が入口にありにぎやかな雰囲気がありますが、静かな境内はゆっくりと散策出来ます。
境内には日朗上人の土の牢があり、四季の花々も楽しめます。
霊光寺
鎌倉時代に大干ばつがあった際、日蓮が雨乞いをして雨を降らせたという伝承が残る場所にあります。
森の中に境内がある、鳥の鳴き声がこだまする、自然豊かなお寺です。
腰越の日蓮宗寺院
大町・材木座付近についで、腰越には日蓮宗寺院が多くあります。
本龍寺
龍口寺輪番八ヶ寺(片瀬八ヶ寺)と呼ばれるお寺の1つです。
江ノ電「腰越駅」からほど近い割にとても静かな境内には、一風変わったモノが置かれ、何か変わったものは無いかと探したくなります。
東漸寺
龍口寺輪番八ヶ寺(片瀬八ヶ寺)と呼ばれるお寺の1つで、鎌倉市内にある八ヶ寺の中で唯一山門があります。
本堂裏側に広がる墓地からは富士山や江ノ島、片瀬海水浴場を見渡すことも出来ます。
妙典寺
龍口寺輪番八ヶ寺(片瀬八ヶ寺)と呼ばれるお寺の1つです。
境内の墓地「鎌倉富士見墓苑」からは、名前の通り富士山や江ノ島、片瀬海水浴場が見える絶景スポットにもなっています。
本成寺
龍口寺輪番八ヶ寺(片瀬八ヶ寺)と呼ばれるお寺の1つです。
境内は広くはないものの、地元に密着した、ほのぼのとした雰囲気があり落ち着けるお寺です。
勧行寺
龍口寺輪番八ヶ寺(片瀬八ヶ寺)と呼ばれるお寺の1つです。
境内は広くはありませんが、窮屈さを感じないくらいに開けています。新しいお寺に見えますが、14世紀初めに創建された歴史あるお寺です。
法源寺
龍口寺輪番八ヶ寺(片瀬八ヶ寺)と呼ばれるお寺の1つです。晴れていると境内からは腰越の海を望むことが出来ます。
大町の常栄寺と同様、桟敷尼の「ぼたもち」の伝承が残っており、ぼたもち寺とも言われています。
本行寺
腰越にある日蓮宗の寺院としては唯一、龍口寺輪番八ヶ寺(片瀬八ヶ寺)に入っていません。
通常のお寺とは異なるようで、日蓮宗のホームページの一般寺院一覧に掲載されていません。
大船・西鎌倉方面の日蓮宗寺院
点在するように日蓮宗の寺院があります。
久成寺
境内の一部は藤沢市に隣接しており、鎌倉市内の北西に位置しており、観光で訪れる人はほぼいないため、境内はとても静かです。
寺紋は三つ葉葵となっており、徳川家と縁があることがわかります。
円久寺
広くは無いですが、秋になると境内にコスモスが咲き乱れることから「コスモス寺」とも呼ばれています。
観光で訪れるエリアでは無いため、境内はとても静かで落ち着けますが、住職の方の寒いギャグで、より静かになります。
仏行寺
観光で訪れる人が少ないエリアにあるものの境内の庭園は美しく、梶原景季の片腕が埋められているという源太塚があります。
源太塚からは笛田の街並と富士山をかすかに見ることが出来ます。
妙法寺
元々は山梨県にあったお寺でしたが廃寺となり、昭和初期に鎌倉に再建されました。
非常に小さなお寺ですが、静かな落ち着いたゆったりとした空気が流れるお寺です。大町の妙法寺とは一切関係ありません。
日蓮宗系の寺院
日蓮宗でも単立であったり日蓮宗系の寺院が鎌倉市内には2つあります。
大巧寺
鎌倉駅からもっとも近いお寺で、境内は広くは無いものの四季の花が咲き、花を見ながら参拝に訪れる人もいます。
日蓮宗の包括宗教法人には加盟しておらず、日蓮宗でも単立寺院となっています。
護国寺
寺院には見えない建物が特徴的で、ちょっと入りにくい・近寄りにくい雰囲気があります。
日蓮宗ではなく、日蓮を宗祖とはするものの、日蓮正宗という日蓮宗とは異なる宗派となっています。
以上、鎌倉市内の日蓮宗の寺院でした。