鎌倉の寺社を巡っていると、お寺の中に神社があったり、逆に神社の中に仏像があったりします。
どう見ても神社なのに「堂」として仏教的な施設としている寺院もあります。
この時に悩むのが参拝方法です。
寺院の中の神社、神社の中の寺院についてと、その場合の参拝方法について説明します。
神仏習合が当たり前だった江戸時代
仏教と神道の違いは、宗教が違うと言えますが、そうなったのは明治時代以降で、江戸時代までは、神仏習合として寺院で神社を持つのも当たり前でしたし、逆も当たり前でした。
鎌倉で最も有名な鶴岡八幡宮は、江戸時代までは「鶴岡八幡宮寺」というお寺でした。
長谷寺の中には「かきがら稲荷大明神」がありますが、英訳は「Kakigara Inari Shrine」であり、これを日本語に直訳すると「かきがら稲荷神社」となります。
また神社の管理のためにお寺を作ったけど結局お寺として残ったお寺もあります。
お寺によっては「社」ではなく「堂」としてあくまでも仏教施設としているところもあります。
「稲荷社」ではなく「稲荷堂」としたり、「弁天社」ではなく「弁天堂」としたり。
では、見た目は神社だけど、お寺の中にある稲荷堂や弁天堂は、どういう参拝が正しいのでしょうか?
お寺の中にある神社は二拝二拍手一拝・合掌一礼、どちらでも構いません。
お寺の中にあるお稲荷さん、参拝方法を聞いてみた
鎌倉市内でも有名な光明寺には、繁栄稲荷大明神というお稲荷さんがあります。
この繁栄稲荷大明神の参拝方法は、二拝二拍手一拝か合掌一礼か、どちらが正しい参拝方法かお寺の方に聞いてみました。
返ってきた返答は「どちらでも構いません」というものでした。
建長寺にある巨福稲荷大明神、こちらでもお寺の方に二拝二拍手一拝か合掌一礼か、どちらが正しい参拝方法か聞いてみました。
返ってきた返答はこちらも「どちらでも構いません」というものでした。
ただともに、感謝する気持ち、お祈りする気持ち、尊ぶ気持ちがあれば、どちらの参拝方法でも構いませんというものでした。
例外は豊川稲荷のみ
例外があるとすれば基本的には豊川稲荷のみです。
豊川稲荷は吒枳尼天という秘仏を祀っていることで、特別な参拝方法となっています。
鎌倉市内にあるお寺のお稲荷さんは基本的には、宇迦之御魂神(倉稲魂神)を祀っており、一般的な稲荷神社の神様と同じです。
たまにお寺にあるお稲荷さんは、豊川稲荷の流れを組むものと勘違いしている方もいるのですが、豊川稲荷が特殊なだけで、他の寺院は豊川稲荷とは関係ないため、参拝方法も異なります。
信仰心を持って参拝しよう
お寺の中の神社、神社の中の仏像、それぞれ参拝方法は好きなもので問題ありません。
ただ信仰心を持って参拝することが何よりも大切です。
信仰心が無いのであれば、どんなに参拝の作法を守っていても意味がありません。
お寺の中にある神社だからとか気にせず、自分が納得する方法で参拝してくださいね。
以上、お寺の中のお稲荷さんや神社っぽい建物の参拝方法・作法・マナーについてでした。
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