北条政子が開基と伝わる鎌倉市大町にある安養院、境内には国の重要文化財にもなっている現存する鎌倉最古の宝篋印塔があります。
実際の境内の様子や見どころはどこなんだろう?という方に安養院の見どころや様子を写真を添えてお伝えします。
安養院の寺号標と山門
安養院についたら最初に見て欲しいのが寺号標(石塔)です。
道側には「坂東第三番田代観音」「安養院」と刻まれています。側面には「浄土宗名越派根本霊場」と刻まれています。
寺号標から少し進むと山門が見えてきます。
以前は、山門から先は撮影禁止でしたが、2022年4月1日から解禁となりました。ただしルールがあります。
三脚や一脚などの使用の禁止をはじめ、一般的な寺社で見られるルールです。
安養院の日限地蔵
山門をくぐり、すぐ左側を見ると地蔵堂があります。
日限地蔵(ひぎりじぞう)です。
日限地蔵は日を限ってお参りをすると願いが叶うとされる御地蔵様です。鎌倉時代末期から南北朝時代に造立されたとされています。
古い時代には子安地蔵として信仰されていたと伝わっており、日限の御利益の他に、子授け・安産・育児の御利益もあるといわれています。
説明板には上記のように書かれています。
日を限ってお参りするというのは、期日を決めてお参り(おすがり)することで、期日までに功徳がいただけると言われています。
日限地蔵は、鎌倉二十四地蔵尊の24番札所にもなっているので、鎌倉二十四地蔵尊の御朱印を集めている場合は、先にお参りしてからいただくのがマナーです。
なお日限地蔵というのは、鎌倉市内には他にも坂ノ下・成就院の近くにあります。
全国的にも20ヶ所以上の日限地蔵があります。
安養院の本堂
安養院の本堂も見どころの1つです。
本堂の上の方を見ると鳳凰と龍神様の木彫りがあるのがわかります。
その下には木彫りの唐獅子が取り付けられています。
本堂の軒下につけられている扁額には山号の「祇園山」が刻まれています。
本堂の中には風除室っぽくなっているところがあり、そこにも扁額がかかげられており「安養院」と刻まれています。
安養院の寺紋は、鎌倉市と同じ「笹龍胆」ですが、これは源家の家紋と同じで、開基の北条政子から、この寺紋にしたものと思われます。
天然記念物にもなっている「槙」の木
境内に入ると1本の存在感あふれる木があることに気が付きます。槙という木です。
この木は鎌倉市の天然記念物にもなっており、樹齢700年以上と言われています。
安養院の前身となる善導寺の開山良弁尊観の手植えとも言われています。神社なら御神木になっているような立派な木です。
安養院の夫婦御助親子地蔵
槙の木のすぐ近くに3つのお地蔵様が並んでいます。夫婦御助親子地蔵です。
右から、夫婦・御助・親子と並んでいます。
こちらにもお参りしていきましょう。
国の重要文化財 安養院 宝篋印塔
本堂の裏側には大きく立派な宝篋印塔があります。これは、浄土宗名越派開祖・良弁尊観上人の墓と伝えられており、鎌倉に現存する宝篋印塔の中では最古のものと言われています。
徳治3年(1308年)と刻まれているので、鎌倉時代後半に建てられたものです。
非常に立派で大きな宝篋印塔、見逃すのがもったいないです。
北条政子の墓と伝わる宝篋印塔
大きな宝篋印塔の横にあるため小さく見える宝篋印塔は開基となった北条政子の墓と伝わるものです。
安養院という名前は、北条政子の法名であり、そこからこのお寺(院)の名称となっています。
重要文化財になっている宝篋印塔が右側で、左側が北条政子の墓と伝わる宝篋印塔です。
一緒に写すと大きさが全く違うことがわかります。
安養院は北条政子が夫・源頼朝を弔うために今の長谷の鎌倉文学館の近くに建てたお寺で、後に今の場所で田代寺と統合されたと言われています。
安養院の身代り地蔵
重要文化財の宝篋印塔の近くに一風変わったお地蔵様があります。横になって寝ているお地蔵様で「身代り地蔵」です。
まるでふかふかの布団で眠っているかのようなお地蔵様ですが、身代りになって病床に伏せっている状態を表しているとのこと。
面白いお地蔵様です。
安養院へ行こう
安養院の様子や見どころを紹介してきましたが、他にもユニークな石仏や石塔などが数多く置かれています。
普段はあまり参拝する人も多くなく非常に静かなお寺です。ただゴールデンウィークの頃はツツジが咲き乱れ、とても美しい景色を見に多くの人が訪れます。
一般公開はされていませんが、映画監督である黒澤明さんのお墓もあるお寺です。
ユニークなお地蔵様がある安養院に参拝に訪れてみてはいかがでしょうか?
以上、安養院の境内の様子と見どころについてでした。
- 住所:〒248-0007 神奈川県鎌倉市大町3-1-22
- TEL:0467-22-0806
- 御朱印:あり
- 写経:確認中
- 参拝可能時間:8:00~16:30
- 寺務所受付時間:参拝時間と同じ
- 拝観時間:参拝時間と同じ
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