腰越にある寺院の中でも最も奥に位置する宝善院へ参拝に行ってきました。
2つの山号寺号を持ち、鎌倉市内でもかなり古くからあるお寺で小さいながらも定期的に写経も行っています。
実際に訪れて撮影した写真を添えて境内の様子や見どころを紹介します。
宝善院への参道
腰越駅や江ノ島駅から歩いてくると宝善院の寺号標が見えてきます。
立派な寺号標の横には宝善院からのお知らせがありました。
写経もやっているそうです。
この寺号標から1分ちょっと歩くと宝善院の山門が見えてきます。
腰越駅からは11~15分も歩けば到着します。
宝善院の山門
宝善院の山門が、最初の見どころです。
ほぼいつでも提灯を出しています。
山門の左側には「東国八十八ヶ所霊場 第86番」の石塔が建っています。右側には寺号標が建っています。
山門の手前には小さな地蔵堂がありますが、由緒はわかりませんでした。
宝善院の本堂
山門をくぐって境内へ
左前方に宝善院の本堂が見えてきます。この本堂が宝善院2つ目の見どころです。
大きな本堂ではありませんが特徴的な部分もあります。
正面の鬼瓦の部分、三つ鱗の寺紋が刻まれています。
屋根から少し目線を下げると軒下に木彫りの鳳凰
常香炉にも三つ鱗の寺紋が刻まれています。
賽銭箱にも三つ鱗の寺紋
扁額は右から左への横書きで「寳善院」と書かれています。
天水桶にも三つ鱗の寺紋がついています。
この寺紋は「丸に三つ鱗」という名称になりますが、鎌倉で三つ鱗と言えば北条氏の家紋を指すのが一般的です。
しかし宝善院の由緒で北条氏の名前が出てくることはありません。
ただ北条氏がなぜ三つ鱗の家紋を使うようになったかと言えば北条時政(北条義時の父)が江ノ島に参籠した際に龍神が3つの鱗を落としていったことから三つ鱗の家紋にしたという言い伝えからです。
江ノ島の龍神は江島神社と龍口明神社で祀られていますが、宝善院は龍口明神社の別当寺だったこともあるので、その流れなのかな?とは思います。
本堂に向かって右側には庫裡(寺務所)があります。
庫裡の軒下の柱に木彫りの唐獅子が取り付けられていました。
宝善院の弘法大師坐像
山門と本堂の間に小さな御堂があります。弘法大師の坐像を祀っている御堂です。
この弘法大師坐像が宝善院3つ目の見どころです。
石塔には「南無大師遍照金剛」と記されています。これは真言宗のお経で、「南無」は「私は帰依する」を意味しており、「南無大師遍照金剛」の7文字で「弘法大師空海に帰依する」の意味になります。
「遍照金剛」は空海の灌頂名(かんじょうめい)であり、大日如来の別名にもなっています。
それほど大きくは無い石像です。
やや顔は風化しているようにも見えます。
手前にも小さな石仏が置かれていました。
宝善院の大師堂と観音堂
一旦境内から出て奥へと歩いていくと宝善院の太子堂と観音堂があります。この太子堂と観音堂が宝善院4つ目の見どころです。
大師堂の見た目はまだ新しく見えます。
下から見上げた大師堂
扁額には右から左への横書きで「大師堂」と記されています。
扁額の下の左右には木像の唐獅子が取り付けられていました。
仏像が5体刻まれた石塔がありますが、曼荼羅石像と呼ばれるものです。腰越の寺院でしか見かけません。
大師堂の斜め向かいにあるのが観音堂です。入口は反対側になりますが、境内からは見ることが出来ません。
この中に十一面観音像が納められています。
観音堂の脇に道があり、少し進むと正面部分も見えます。
宝善院の墓地のやぐら?防空壕?
再び境内に戻ってきて境内の横にある墓地へ。
むき出しの岩肌が如何にも鎌倉っぽさを感じます。
むき出しの岩肌と言えば、鎌倉であれば「やぐら」がありそうと思って見回すとそれっぽい穴はありましたが、綺麗な作りすぎて「やぐら」なのか「防空壕」なのかは、わかりませんでした。
ただいくつかある穴の部分は塞がれており中には入れないようになっています。
宝善院へ行こう
大きくは無いお寺ですが、気分的に落ち着きます。
やや駅からは遠く感じるものの、腰越の散策と思えば楽しめます。
腰越に来た時は是非、参拝に立ち寄ってくださいね。
以上、宝善院の境内の様子と見どころについてでした。
- 住所:〒248-0033 神奈川県鎌倉市腰越5-13-17
- TEL:0467-31-8010
- 御朱印:あり
- 写経:あり(毎月8日・10:00~12:00)
- 参拝可能時間:24時間
- 寺務所受付時間:概ね9:00~16:00
- 拝観時間:概ね9:00~16:00
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