材木座の中でも比較的広い境内を持つ長勝寺へ参拝に行ってきました。
長勝寺が経営主体となる霊園まで含めるとかなり広い境内で見どころも豊富なお寺で、霊園からは鎌倉の海も見渡せます。
実際に訪れて撮影した写真を添えて境内の様子や見どころを紹介します。
長勝寺の入口
鎌倉駅方面から長勝寺に向かってくるとJR横須賀線の名越踏切があります。
名越踏切を渡って少し歩いてくると長勝寺の寺号標(石塔)が見えてきます。
入口からはお寺らしさが感じられないので、この先にお寺があるなんてわからず、このまま過ぎ去ってしまう人も多そうです。
少し進むと「鎌倉材木座霊園」の寺務所があります。鎌倉材木座霊園は、長勝寺が経営主体となっている霊園で、長勝寺の山の上にあります。ここは墓地を申し込む人を受付する場所です。
鎌倉材木座霊園の寺務所の横を見ると長勝寺の山門が見えます。
ここまで来ないとお寺ということがわからないんですよね。
長勝寺の山門
長勝寺最初の見どころは山門です。
まずは山門の軒下部分にあたる左右を見て下さい。
左右に木彫りの唐獅子と象が取り付けられています。
内側の上を見ると木彫りの麒麟が飾られていました。麒麟を山門につけている寺院は鎌倉でおそらく長勝寺だけかと思います。
山門の左脇には古い感じがする寺号標が置かれていました。
山門をくぐり中に入って振り返ってみると内側にも木彫りの唐獅子と象が取り付けられています。
長勝寺の六地蔵や仏像
山門から先は石畳の参道が続いています。
山門を入ってすぐ左側に多数の仏像や石塔などが置かれています。
ふくよかな感じがする観音様をメインにお地蔵様なども置かれています。
小さな地蔵堂もあります。
また六地蔵もあります。その横には赤子を抱いたお地蔵様、水子地蔵かな?
鎌倉の寺院ではよく見かける六地蔵です。
これらの仏像・地蔵が長勝寺2つ目の見どころです。他にも境内を探すといくつかの仏像が置かれているので探してみてください。
長勝寺の日蓮聖人像と四天王像
参道は途中で少し右に曲がっていてその先に本堂が見えますが、その手前にもいくつかの像が置かれています。
5つの像がありますが、一番手前にあるのが日蓮聖人の銅像です。手前には常香炉が置かれています。
長勝寺の寺伝によると日蓮が安房より移り住んだ松葉ヶ谷に草庵を建てたことが創建になったとされているので、日蓮聖人の像があるのは当然ですね。
この像は高村光雲作です。高村光雲と言えば、上野公園の西郷隆盛像で有名な方です。
その後ろには四天王と呼ばれる仏像が建っています。
左手前は、大増長天王像(増長天像)です。
南方を護る守護神として造像される場合が多く、仏堂では本尊の向かって左手前に安置するのが原則なので、ここでも左手前に配置されています。
左奥は、大広目天王像(広目天像)です。
西方を護る守護神として造像されることが多く、仏堂内では本尊の向かって左後方に安置するのが原則なので、ここでも左後方に配置されています。
右手前は、大持国天王像(持国天像)です。
東方を護る守護神として造像される場合が多く、仏堂内部では本尊の向かって右手前に安置されるのが原則なので、ここでも右手前に配置されています。
右奥は、大毘沙門天王像(毘沙門天像)です。
北方を護る守護神として造像されることが多く、仏堂内では本尊の向かって右後方に安置するのが原則なので、ここでも右後方に配置されています。
なお四天王と言えば多聞天じゃないの?と思うかもしれませんが、多聞天と毘沙門天は同一です。ただ四天王として配置する場合は多聞天と記載することが多いので、毘沙門天としているのは少し珍しいかもしれません。
長勝寺の本堂には帝釈天が祀られており、帝釈天に使えるのが四天王です。
これら日蓮聖人像と四天王像が、長勝寺3つ目の見どころです。
長勝寺の本堂
長勝寺4つ目の見どころが本堂(帝釈堂)です。上記の写真だと低く見えますが、中は一般的な2階建て住宅くらいの高さがあります。
扁額には「帝釈尊天」と書かれています。
時期・タイミングにもよりますが、御朱印が本堂内でいただくこともあります(時期によっては本堂地下の寺務所)。
訪れた日は本堂の中で御朱印をいただくようになっていたので、本堂の中にも入らせていただきました。中に2重の塔というか建物が入っています。
長勝寺の水行の場と六角堂
長勝寺の本堂の前に2つの建物があります。
水行の場と六角堂です。この2つが長勝寺5つ目の見どころです。
水行の場
本堂の前に「足湯?」と思うような建物があります。これが水行の場です。
すのこが敷き詰められ、お湯を入れられそうな槽があり、足湯でも出来そうな雰囲気ですが、これは毎年2月11日に水行を行う場所です。
千葉の法華経寺で百日間の荒行を終えた僧が、こちらで寒中に水を浴びて、修行を仕上げるそうです。
ここにも仏像が置かれているので挨拶しておきましょう。
六角堂
本堂に向かって右側に六角形の建物があります。六角堂です。
六角堂には日蓮聖人の遺歯が祀られているそうです。
扁額には「久遠」と書かれています。
久遠は永遠・永久という意味を持つ単語で、日蓮聖人は永遠・永久の存在ということを語っているのかな?と思いました。
長勝寺の本師堂と鐘楼
本堂の端から八角形の建物が見えます。一旦本堂の階段を降りて向かうことになります。
本師堂(八角円堂)
この八角形の建物が本師堂(八角円堂)です。
扁額は縦書きで「本師堂」と書かれています。
タイ国から贈られた金色釈迦尊像が祀られているそうです。
堂内の直接の写真は禁止されているので、本師堂の前で中の仏像を是非見てください。
鐘楼
本師堂の隣には長勝寺の鐘楼があります。
四隅に唐獅子の像が取り付けられています。
重厚感のある梵鐘です。
この本師堂と鐘楼(梵鐘)が長勝寺6つ目の見どころです。
鐘楼の奥に黄金龍神を祀る石祠があるので、合わせて見てくださいね。
長勝寺の法華堂
鐘楼の隣にいかにも古そうな建物があります。法華堂(法華三昧堂・祖師堂)です。
長勝寺7つ目の見どころです。
室町時代の中期から後期にかけて作られたものと考えられており、長勝寺で最も古い建物であり、神奈川県の文化財にもなっています。
扁額には右から左への横書きで「法華堂」と書かれています。
材木座霊園からの風景
本師堂・鐘楼の後ろに階段があり上に上がっていけるようになっています。この辺りにも多くの仏像が置かれています。
途中、お寺っぽく無い銅像がありますが、これは赤木圭一郎の記念碑です。
赤木圭一郎は、1950年代を代表する日本の俳優です。トニーの愛称で親しまれていました。また和製ジェームス・ディーンとも言われていました。
それはさておき、石の階段を上っていくと長勝寺の墓地エリア・鎌倉材木座霊園に到着します。
途中、いろいろな石碑が集められた一画があります。更にそこから奥へ奥へと進んでいくと見晴らしの良い墓地エリアに到着します。
鎌倉の街と由比ヶ浜、稲村ヶ崎が一望出来る絶景スポットです。
晴れて空気が澄んだ日なら富士山も見えるようです。
江ノ島も上の方のみ見えます。
ここからの眺めが長勝寺8つ目の見どころです。
かなり奥に入らないとわからないので、奥の奥まで進んでください。
長勝寺の松葉ヶ谷草庵跡
材木座霊園から来た道ではなく、車が通れる道で長勝寺方面に降りていくと右側に仏像があるところがあります。
長勝寺の松葉ヶ谷草庵跡です。仏像は日蓮聖人です。
この長勝寺の松葉ヶ谷草庵跡が長勝寺9つ目の見どころです。もっとも長勝寺の管理化のものですが、長勝寺の境内とは言いにくい部分はありますが。
この場所は日蓮聖人が立正安国論を書いたとも言われている場所で、日蓮宗に関して言えば聖地のような場所です。
ただ松葉ヶ谷草庵跡を主張するお寺は、長勝寺を含めて3つあります。安国論寺と妙法寺です。
長勝寺と妙法寺では江戸時代に松葉ヶ谷草庵跡(松葉ヶ谷の法難跡)を巡って20年以上争われたそうです。
ただ複数の場所を移転したという考え方もあり、結論は出ていません。
長勝寺へ行こう
長勝寺は材木座にあるお寺の中でも見どころが多いお寺です。
四天王なんて、見ているだけで格好良いな~って思ってしまいます。
鎌倉駅からは少し遠いものの、歩けないほどの距離でもありません。
御朱印をいただくと羊かんをいただける時もあります。
今回紹介した以外にも四季の見どころもある長勝寺、是非参拝に訪れてください。
以上、長勝寺の境内の様子と見どころでした。
- 住所:〒248-0013 神奈川県鎌倉市材木座2-12-17
- TEL:0467-25-4300
- 御朱印:あり
- 写経:なし
- 参拝可能時間:24時間(夜は危険)
- 寺務所受付時間:9:00~16:00
- 拝観時間:9:00~16:00
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