毎年1月22日に鎌倉市小町の宝戒寺で行われる太子講(聖徳皇太子大祭・聖徳太子講)に参列してきました。
宝戒寺の「太子講」の様子を写真を添えて、どういった行事なのかも含めて紹介します。
太子講について
太子講(たいしこう)は、全国各地で行われる聖徳太子の縁日に行う法会(ほうえ・仏教の儀式や集まり)のことです。神社でも似た行事を行っているところはありますが、その場合は太子講ではなく、異なる言い方をすることがほとんどです。
宝戒寺の太子講とは
宝戒寺の太子講とは、毎年1月22日に鎌倉市小町の宝戒寺の太子堂で行われる仏事・法会です。鎌倉やその周辺の建築業関係者・植木屋・石屋等を営む人や職人が集まり、護摩供養・読経し、木槍唄などが奉納されます。
そして職人の技術向上、商売繁盛、家内安全を祈願し、護摩(ごま)を厳修(ごんしゅう)します。
厳修なんて言葉初めて覚えました。
この時期の宝戒寺は早咲きの梅が咲き、蝋梅や椿などの花が咲いていて、冬だけど春らしさを感じる境内になっています。
一般的な太子講は、室町時代から江戸時代にかけて始まったと言われています。
太子講はなぜ建築業関係者・植木屋・石屋等を営む人が集まるのか?
なぜ太子講に建築業関係者・植木屋・石屋等を営む人や職人が集まるのか?と言えば、聖徳太子は優れた工芸技能者の育成を図られたといわれ、これにちなみ諸職人の守護神として崇められたことが理由と言われています。
宝戒寺の太子講の開催日時
宝戒寺の太子講は、曜日に関係なく毎年1月22日 13時頃から行われます。
聖徳太子の忌日(亡くなられた日)は2月22日といわれており、そこから聖徳太子の縁日が22日となり、年始の1月22日に太子講が行われるようになったと言われています。
全国各地でも太子講は行われますが、そのまま新暦に置き換えた忌日に行うところもあれば、5月・9月に行うところもあります。
なお宝戒寺の太子講は、看板には「聖徳皇太子大祭」と書かれていて、公式サイトだと「聖德太子講」と書かれていますが、一般的には「太子講(たいしこう)」と言われています。
宝戒寺の慰霊碑(慰霊塔)
宝戒寺の太子堂のすぐ近くには「鎌倉鳶職組合」と入口に刻まれた慰霊碑(慰霊塔)があります。
これは鎌倉の鳶職・建築関係で亡くなった方を慰霊するために建てらてたものです。太子堂があったことで、ここに建てられたとも言われています。
慰霊碑の上の方には梵字が刻まれていますが、これは「あ」と読むそうなのですが、他にもビルシャナ(毘盧遮那)と読むこともあるそうです。
宝戒寺は天台宗の寺院ですが、天台宗だとこの梵字は「大日如来」を表します。
宝戒寺の太子講の様子
太子講の様子を写真を添えて紹介します。
13時頃になると僧侶の方と参列者の中で選ばれた人が錫杖を持ち、大きく錫杖を地面に叩きつけながら音を鳴らして太子堂へと向かっていきます。
大きな和傘の持ち方が独特で格好良いと思いました。
僧侶の方が中へ入ってしばらくするとお経が聞こえてきました。
続いて参列者が1人1人、焼香?していきます。
そして木槍唄が奉納された後、護摩が大きく焚かれます。
喧嘩でもしているの?と思うくらい激しいお経?が響いてきました。
そして再び錫杖を鳴らしながら本堂に戻って終了です。
概ね1時間くらいでした。
1月の宝戒寺の様子と花
太子講が行われる1月下旬の宝戒寺は、早咲きの梅が咲いていることが多く春らしさを感じさせてくれます。
黄色い花をさかせる蝋梅も見頃になってきています。
他にも少し変わった椿などの花が咲き、真冬なのに春らしさを感じさせてくれます。
太子講に参列しながら冬の花々を楽しんでみてはいかがでしょうか?
以上、太子講(聖徳皇太子大祭)についてでした。
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