鎌倉市大船にある多聞院は、アクセスが決して良いとは言えない場所にあり、それほど大きなお寺でも無いため観光で訪れる人がほとんどいません。
ただ鎌倉らしさという意味では他の寺院よりもずっと感じられるお寺です。
何が鎌倉らしいのか、写真を添えて紹介します。
鎌倉らしさとは何か?多聞院のやぐら
転勤族だったこともあり、日本各地に住みました。そして鎌倉に住むようになり、鎌倉らしい景色や鎌倉らしいものというものを他の地域と比べて考えてみると、いろいろある中で「やぐら」や「切通」というものは鎌倉らしさを感じられるものだと思いました。
やぐらと聞くと「櫓」を想像して火の見櫓やまつり櫓、太鼓櫓等の建造物を想像するかもしれませんが、鎌倉において「やぐら」と平仮名で書いてある場合、岩山の斜面等に作られた納骨窟または供養堂のことです。
多聞院にはいくつかの「やぐら」があり、まさに鎌倉らしい風景を描いています。
鎌倉市内には3000以上の「やぐら」があると言われていますが、土砂崩れや宅地開発で年々減ってきていたり、大きな規模の「やぐら」は、あまり人が来ないところであったり、山の中にあったりして、行きにくいところにあります。
多聞院のやぐらは中規模なやぐらですが、簡単に行くことが出来るのが珍しいところです。
山に登ったりしないで気楽にある程度の規模のやぐらが見たい!という方におすすめの場所です。
切通がすぐ近くを通る多聞院
やぐらと並んで鎌倉らしさにあげた「切通」とは、山を削って人が通りやすくした道のことです。
有名なところでは、極楽寺の成就院の前の谷上になった道も元々は「切通」であり極楽寺切通と言われています。
多聞院の境内にやぐらがある訳ではありませんが、多聞院を囲む山の上が切通になっています。
上記のやぐらの上の部分にはやぐらが通っています。
竹林が見えますが、この竹林は多聞院の境内です。この竹林の少し先に「高野の切通」と呼ばれる切通があります。
岩肌がむき出しになっている、とても切通らしい切通です。
初めて多聞院を訪れた時は、高野台のバス停からこの切通を経由して多聞院へと向かいました。多聞院の境内からこの切通の入口までは徒歩5分もしなくくらいの距離なので、昔ながらの切通を簡単に見ることが出来ます。
多聞院の鎌倉らしさは他にもある
寺社巡りをしていた鎌倉らしいな~と思うものが他にもあります。
1つが庚申塔、1つが六地蔵です。
庚申塔とは、庚申講と呼ばれる民間信仰に使われていた石塔で、鎌倉各地で見られます。
多聞院の入口には上記の庚申塔が並んであって、鎌倉らしさを感じられます。
墓地エリアには六地蔵があります。
鎌倉各地に6つ並んだ六地蔵は10箇所以上あり、六地蔵も鎌倉らしさを感じるものです。
多聞院へ行こう!
鎌倉に寺院は数多くありますが、小さいお寺でここまで鎌倉らしさを感じられるところは、ほとんどありません。
アクセスは若干悪いものの、鎌倉らしい寺院に参拝に訪れたい!という方には本当におすすめです。
多聞院の入口の脇には「熊野神社」もあり、熊野神社の境内には神楽殿もあります。
初めての鎌倉では物足りないかもしれませんが、鎌倉に何度か来ている人ならきっと同じように鎌倉らしさ寺院だと感じてくれると思います。
以上、多聞院の鎌倉らしさについてでした。
- 住所:〒247-0056 神奈川県鎌倉市大船2035
- TEL:0467-46-3591
- 御朱印:あり
- 写経:なし
- 参拝可能時間:24時間
- 寺務所受付時間:概ね9:00~17:00
- 拝観時間:24時間(ただし夜は不審者扱いされるかも)
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