鎌倉市に隣接する史跡「まんだら堂やぐら群」は、春・初夏と秋・初冬の特定期間の土日月祝のみ公開されています。
5月の後半に入った頃に、まんだら堂やぐら群に訪れてきたので、その時の様子を写真を添えて紹介します。
1度は見ておきたい場所です。
まんだら堂やぐら群について
まんだら堂やぐら群は、逗子市の名越切通の途中にある史跡です。
やぐらは、一言で言えば「お墓」です。鎌倉時代中期から室町時代にかけて作られ、使用された横穴式の納骨窟または供養堂です。
まんだら堂やぐら群は現在の逗子市にあり、鎌倉市を中心とした鎌倉周辺の中では現存するやぐら群の中では最大規模のものです。
鎌倉市にも大きなやぐら群はありますが、風化したり整備されていないこともあって、ここまで見やすく行きやすい大規模なやぐら群は、鎌倉市内にはありません。
毎年4月後半から5月下旬、10月後半から12月中旬くらいまでの土日月祝の限定期間・限定日だけ一般公開されています。
今回訪れたのは2022年5月22日(日)でした。
まんだら堂やぐら群の様子
まんだら堂やぐら群への行き方はいろいろありますが、今回はハイキングも兼ねて報国寺の奥にある浄明寺緑地へ続く裏道を通り、浄明寺緑地からお猿畠の大切岸を通り、名越切通に入るルートで訪れました。
一般的には逗子市側から入る人が多いようです。
名越切通の途中にまんだら堂やぐら群に入る階段があります。
公開されている時は入口に上記のように「本日公開中」の案内が出ています。
階段を上るとフェンスの戸が開いていて中へ入れます。
中に入って右側に受付があり、パンフレット等を配っています。また募金も出来るので、是非募金もしてくださいね。
そして受付の辺りからまんだら堂やぐら群を見ると…
いくつもの穴が山の斜面に掘られていて、五輪塔というお墓が中に入っています。
鎌倉時代中期から室町時代につくられたやぐらですが、誰でもここを利用出来た訳ではなく、ある程度身分の高い人でなければ入れなかったと言われています。
穴の中には五輪塔がいくつも格納されています。
まんだら堂やぐら群は3つのエリアに分かれていて、入口から入ったところがメインのやぐら群で、メインのやぐら群にそって歩いていくともう1つのやぐら群があります。
お墓というと少し怖い気もしますが、史跡と思えば怖い感じはしませんよね。
なお鎌倉市内には3000とも5000とも言われるやぐらがあったと言われていますが、その中で現存するやぐらの中には、物置として使われているものもあります。
苔むしたり草が生えたやぐらは、遺跡という言葉が合うようにも思います。
鎌倉やその周辺以外ではあまり見られないものなので、日本の遺跡というよりも海外の遺跡に似た感じを受けるかもしれません。
展望広場からみるまんだら堂やぐら群
受付の前を通り奥へと進むと展望広場と呼ばれるところがあります。
少し階段を上って進んでいくと…
少し開けた場所があります。ここが展望広場です。
この展望広場からメインのやぐら群を正面に見ることが出来ます。
先程は下から見上げる形で見ていましたが、ここは正面もしくはやや眼下に全体的に見えるので、望遠鏡・オペラグラスなどを持っているとやぐらの中もよく見えます。
今でこそかなり風化していますが、作られた当時はかなり装飾されて豪華だったと研究結果から言われています。
鎌倉周辺はあまり平地が無いので、山の斜面にやぐらを作って集団墓としたとも言われています。
いろいろな戦乱があった鎌倉、死者も多かったはずですが、平地が無かったためにやぐらという集団墓が生まれたとも言われています。
この展望広場からは逗子の海もわずかに見えます。
まんだら堂やぐら群へ行こう
期間限定・曜日限定でしか見られない「まんだら堂やぐら群」、もし訪れるチャンスがあれば1度は見てください。
アクセスは良いとは言えない場所ですが、ハイキングを兼ねて訪れれば楽しめる場所です。
名越切通を通りながら訪れてみてはいかがでしょうか?
日曜日に訪れた割には、30分ほど滞在した中で6組10数人の人しか会いませんでしたので、混雑はしていませんでした。
以上、春・初夏のまんだら堂やぐら群の限定公開、訪問レポートでした。
- 読み方:まんだらどうやぐらぐん
- 文化財区分:国指定史跡
- 管理団体:逗子市
- 住所:〒249-0008 神奈川県逗子市小坪7
- TEL:046-872-8153(逗子市教育部社会教育課)
- 見学可能時間:別途
- 見学料:無料(寄付は受け付けている)
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