まだまだ暑い8月後半、国の登録有形文化財、鎌倉の景観重要建築物等に指定されている檑亭の廻遊式庭園を散策してきました。
広いとは聞いていたものの、かなり広くてすべて回るのは大変でしたが、楽しめる庭園でした。
夏の檑亭の庭園について写真を添えてお伝えします。
檑亭の廻遊式庭園について
檑亭は、会席料理店・蕎麦屋さんとして現在は運営されていますが、元々は広大な敷地を持つ別荘でした。
ただ別荘と言っても普通の別荘ではなく昭和初期にかなりの資金を投入して作られた別荘で庭園には様々な演出がされています。
土地の広さは約15000坪と言われており、これを平方メートルに換算すると約49600平方メートルになります。
でもこの約49600平方メートルを言われてもピンと来ませんよね。
よく言われる「東京ドーム何個分の広さ」の東京ドーム1個分の広さ(建築面積)は、46755平方メートルですから、東京ドームよりも広いということがわかります。
しかも平地ではなく斜面に作られているので、半分は山道を歩くようなもので、結構大変です。
檑亭の山門から鎌倉山天満宮まで
檑亭の山門が入口となります。まずはここから鎌倉山天満宮を目指します。
檑亭の山門には、「壽延山」と刻まれた扁額がかかっています。これは鎌倉市西御門にあった壽延山高松寺の山門を移築した関係で扁額も一緒についてきたというところでしょうか。
高松寺は、関東大震災で甚大は被害を受けた後、昭和6年に宮城県に移りました。
山門をくぐるとすぐ右側に受付があります。ここで入場料500円を支払います。
ただこの入場料500円は、飲食チケット500円分に交換されるので、飲食をするのであれば、そのまま充当出来ます。
飲食をしないとそのまま500円の入場料ということになります。
500円を支払い、500円分のチケットをいただき中へと進みます。
石畳で道が伸びています。
入口から進んでくると和風建築の建物が見えてきます。
この建物が檑亭の本館2階部分です。
檑亭本館2階は完全予約制の会席料理を予約した方のみが利用出来る場所です。
軒下を見ると木彫りの鶴かな?彫られていました。
左右には唐獅子の木彫りが取り付けられており神社やお寺のような雰囲気があります。
それもそのはず、2階の玄関部分は、鎌倉市手広にある青蓮寺から移築したものなので、お寺の御堂が使われています。
青蓮寺も関東大震災で甚大な被害を受け、その古材を補修移築して使っているそうです。
2階の横から見た景色、遠くに海が見えてとても素敵な景色が広がっていました。
実際にはこんな感じです。
ここから階段を降りていきます。
このまま建物のまわりに沿って進めば1階の蕎麦処にいけますが、今回は庭園の散策を最初に行うので、階段を降りたら反対方向へ進みます。
蕎麦処とは反対方向へ歩いていくと石灯籠?が並ぶところがあります。
そのまままっすぐ進むと「百仏崖」という場所があります。
仏像が崖面に数多く並んでいます。
ちょっと異質な空間ですが、後光のように木漏れ日がさしていて神秘的な感じを受けます。
面白い空間です。
そのまま進むと鎌倉山天満宮にたどり着きます。
毎月月例祭も行っているそうです。
檑亭 石造碁将棋板と石造十三像
鎌倉山天満宮を後にして庭園の先に進みます。
二宮尊徳像があるのも味わい深いです。
少し進むと石で作られた囲碁板や将棋盤が置かれています。
昔はこの森の中で将棋や囲碁をさしていたのでしょうか?
苔むした石造の囲碁板が印象的でした。
少し進むと石造の鳥居のような門があります。
門をくぐると10体の石造が置かれています。
閻魔大王を中心とする地獄の10人の王の石造が並んでいますが、10人なのに十三像とは、これいかに?
鎌倉は閻魔王を祀っているお寺はいくつかあるので、閻魔王や十王の像はそれほど珍しくは無いものの、初めて来た人だと少し驚くかもしれません。
閻魔王を始めとした十王なら北鎌倉の円応寺が有名です。
檑亭の永楽洞門と竹林
十三像を過ぎて少し歩いていくと一般的な木々の森から竹林へと変化してきます。
竹林の中に開けた空間があり、門があります。
永楽洞門と呼ばれるものです。
竹林と洞門、なんかとても落ち着ける空間でゆっくりしたいな~と思うものの、夏場だと蚊が多くて、ゆっくり出来ないのが残念なところ。
念入りに虫除けスプレーをしていったった、ここでゆっくりと竹林を楽しむのも良さそうです。
竹林の中に仏像が置かれ、庭園というよりはお寺に来ているように思えてきます。
十六羅漢群と言うそうでいくつかの仏像が点在しているので是非、探してください。
檑亭の露庵と石造十三重塔
竹林を抜けると開けた場所にたどり着きます。
石造十三重塔と呼ばれる塔があります。
石造十三重塔の前には建物がありますが「露庵」と呼ばれる檑亭の甘味処です。
ただ露庵の営業は土日祝のみの営業で平日は営業していません。
コーヒーや蕎麦団子、おしるこや甘酒、夏場ならところてんやかき氷などを楽しめます。
営業時間は11:30~16:00までです。
檑亭の月庵や八角堂
露庵から更に進んでいくと茶室「月庵」があります。
何か作業をしていて中を見ることが出来ませんでしたが、雰囲気の良さそうな茶室でした。
月庵の先にも茶室っぽい建物がありました。寄付というようです。
少し先に進むと御堂が見えてきます。
八角堂と言うそうで、上から見ると八角形の形をしています。
その脇には仁王像が建っています。
檑亭本館の蕎麦処
庭をぐるっと1周してきましたが、写真を撮りながらゆっくりと進んできたので1時間ほどかかりました。
そしていよいよ最終の檑亭本館です。
横には入口から近い2階部分の入口が見えます。
和風の佇まいが落ち着かせてくれる建物です。
写真ではわかりませんが、海もかすかに見えました。空気が澄んでいれば富士山も見えるそうです。夏場だと晴れていても湿度等の関係で見えない時があります。
残念ながらこの日は富士山は見えませんでした。
本館で蕎麦をいただきお腹いっぱいにして帰路へとつきました。
夏の檑亭へ行こう
まだまだ暑い8月の後半に訪れましたが、庭園内は森の中ということもあり、それほど暑くはない、むしろ涼しく感じられます。
緑が濃く散策に非常におすすめです。
1つ難点をあげると蚊が多いこと!夏場は絶対に虫除けスプレーをしっかりと体中につけてから訪れることをおすすめします。
また森で蜂も多いので、黒っぽい姿で行くことはおすすめしません。蜂は黒い色に反応しやすいので、白っぽい服装がおすすめです。
以上、夏の檑亭の廻遊式庭園の様子でした。
- 住所:〒248-0031 神奈川県鎌倉市鎌倉山3-1-1
- TEL:0467-32-5656
- 見学可能時間:11:00~日没(16時頃)(*1)
- 見学料:500円(*2)
- 定休日:正月三賀日・7月最終月曜~木曜
コメント