鎌倉について調べていると「奥鎌倉」というエリアを紹介しているサイトがあります。当サイトも「奥鎌倉」という名称を使うことがあります。
でも奥鎌倉ってどこ?と思う方も多いと思います。
また奥鎌倉が東鎌倉という名称で紹介されることもあります。
奥鎌倉・東鎌倉とはどこのことか、また何があるのか紹介します。
結論から言えば、奥鎌倉・東鎌倉とは鎌倉市二階堂・浄明寺・十二所の3つの地区のことを指しています。
奥鎌倉・東鎌倉は鎌倉市東部の県道204号線沿い辺り
鎌倉市の後に続く町名(住所)は45個あり、その内の下記の3つの町をまとめて、奥鎌倉・東鎌倉と言うことがあります。
- 鎌倉市二階堂
- 鎌倉市浄明寺
- 鎌倉市十二所
場所で言えば下記の塗りつぶしをしてあるところです。
奥というのは、人によって感覚が異なりますが、鎌倉駅・鶴岡八幡宮などがある辺りを鎌倉の中心と考えた場合、
- 北側が奥じゃないの?=つまり大船方面
- 西側が奥じゃないの?=つまり腰越方面
と思うかもしれませんよね。僕も最初は奥鎌倉は、大船の奥にある関谷や城廻、玉縄のあたりじゃないの?と考えました。
ただ鎌倉の人って、1894年(明治27年)の鎌倉町発足もしくは、1939年(昭和14年)の鎌倉市発足を基準に考えることが多いです。
そのため1948年に鎌倉市に編入した大船町は旧鎌倉町・旧鎌倉市の人から見ると鎌倉ではないという見方があります。
大船は鎌倉市だけど、鎌倉では無いというニュアンスです。
京都でも日本海側は京都では無いと言う人、八王子は山梨だという人、新潟は東北だという人、そんな感じ?で北鎌倉(山ノ内)を除く大船地域や玉縄地域は鎌倉では無いと見られることが時折あります。
この旧鎌倉町・旧鎌倉市というのは上記の地図の主に「鎌倉地域」と呼ばれるところで、鎌倉幕府も概ねこの範囲でした。
この範囲で奥に位置するのが奥鎌倉というエリアで、主に「金沢街道(県道204号線)」沿い位置する二階堂・浄明寺・十二所を指しています。
当サイトではこのエリアのことを「二階堂・十二所エリア」として区分しています。
なお「奥鎌倉」で検索すると「奥鎌倉 北條」という飲食店の情報ばかりで、奥鎌倉=飲食店と勘違いされてしまいそうです。
東鎌倉と言われることも稀にあり
鎌倉市の地図を見ると、十二所・浄明寺・二階堂は東側に位置していることもあり、稀に東鎌倉と言われることもあります。
なお明治時代に「東鎌倉村」がありました。小町村、大町村、雪ノ下村、西御門村、浄明寺村、二階堂村、十二所村、扇ガ谷村、峠村、乱橋材木座村の一部および極楽寺村で構成されていましたが、1894年(明治27年)に西鎌倉村と合併して鎌倉町となっています。
また鎌倉市として「鎌倉東地域」として鎌倉市の「鎌倉市都市マスタープラン」で説明されています。
奥鎌倉はどういうエリア?
奥鎌倉は、鎌倉の中でも落ち着いた雰囲気のある街です。
北鎌倉や長谷、鎌倉駅付近に比べると観光で訪れる人も少なく一歩奥に入れば、昔ながらの街並みが残ります。
ただ二階堂、浄明寺、十二所で少し雰囲気が異なります。
二階堂は、ここ数年でマンションが出来たり、昔から住んでいた人が引っ越して大きな屋敷後を更地にして分譲して新しい家が建ち、新しい人も住み始めています。
浄明寺は、ハイランドと呼ばれるエリアとそれ以外で全く雰囲気が異なります。
ハイランドは高級住宅街というイメージで、それ以外は昔から住んでいる人が多いエリアです。
なお浄明寺で報国寺だけは非常に観光で訪れる人が多く、土日ともなると近くの浄妙寺と合わせてかなり混雑します。
十二所は、昔から住んでいる人が圧倒的に多いイメージがある街です。
奥鎌倉にある有名な観光スポット
また古くからの寺院が多いエリアです。
鎌倉最古と言われる杉本寺をはじめ、北条義時が創建した大倉薬師堂が元となった覚園寺、鎌倉幕府と同じ頃に創建された浄妙寺などがあります。
杉本寺は坂東三十三観音霊場の1番札所にもなっています。
一番観光客が訪れるのは「報国寺」です。
抹茶をいただきながら見る竹林が人気のお寺です。
他にも寺院がいくつかあります。
参考:奥鎌倉エリアの寺院
神社は、鎌倉宮や荏柄天神社といった有名な神社以外にも小さな神社がいくつかあります。
参考:奥鎌倉エリアの神社
史跡としては、永福寺跡が割と有名で、他にもやぐらがいくつか残っています。
十二所には朝夷奈切通と呼ばれる古道も人気の観光スポットの1つです。
他にも国の登録有形文化財に指定されている「旧華頂宮邸」、国指定の重要文化財に指定されている「一条恵観山荘」があります。
鎌倉駅周辺・北鎌倉・長谷あたりの鎌倉でも有名な観光スポットだけでなく、奥鎌倉の観光スポットに是非訪れてくださいね。
観光モデルコースは下記記事を参考にしてください。
奥鎌倉の洋館
鎌倉にはいくつかの洋館がありますが、奥鎌倉で洋館と言えば2つです。
1つが旧華頂宮邸、もう1つが浄妙寺の中にある石窯ガーデンテラス(旧 犬塚勝太郎邸)です。
旧華頂宮邸は昭和4年(1929年)に建てられ、鎌倉市の景観重要建築物等および国の登録有形文化財に指定されています。
石窯ガーデンテラスは大正11年(1922年)に建てられていますが、文化財には登録されていません。
石窯ガーデンテラスはアフターヌーンティーも楽しめる人気のお店です。
他にも奥鎌倉に洋館はありますが、ほとんど観光客が訪れない場所にあります。
奥鎌倉は穴場スポット?
奥鎌倉はよく「穴場スポット」として紹介されます。確かに鎌倉駅から鶴岡八幡宮の辺りや長谷寺や鎌倉大仏などの人気エリアに比べれば静かではあります。
ただし報国寺や浄妙寺は人気スポットであり穴場スポットとはとても言える場所ではありません。
二階堂の鎌倉宮や永福寺跡も静かなことが多いですが、時折団体で訪れていることもあって、静かとは言い切れない状態になってきています。
Googleで「鎌倉 穴場スポット」等のキーワードで検索して出てくる鎌倉の穴場スポットと紹介されるような場所は既に穴場スポットでは無いことがほとんどです。
Googleのアルゴリズムとして、本当に人が少なくて静かな場所を穴場スポットとして紹介している記事は検索結果の上位になりにくい仕組みなので、ネットで穴場スポットを探しても見つけることはほぼ無理です。
以上、奥鎌倉についてでした。
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